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2012 年度 実施状況報告書

悪性腫瘍における新規増殖因子OGFOD1の制がん分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659170
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

齋藤 憲  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 研究員 (70426584)

研究分担者 近藤 英作  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 部長 (30252951)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード水酸化酵素
研究概要

近年注目を浴びているプロリン水酸化酵素のファミリー分子の一員として新たに同定されたOGFOD1の機能本態は依然として未知である。われわれはOGFOD1が、実際に多種類のヒト固形癌や脳腫瘍、血液腫瘍などのヒト悪性腫瘍細胞および病理組織に豊富かつユビキタスに発現していることを見出している。興味深いことに、これらの発現腫瘍細胞ではOGFOD1という単一の遺伝子の消長が腫瘍の増殖に大きな影響を与えることが準備研究から判明した。本申請では、OGFOD1遺伝子の発現量の正負の調節によりヒト悪性腫瘍において細胞死が惹起される分子機序を明らかにし、かつその知見に基づきOGFOD1をキー分子として利用した新たな制がん技術展開のための基盤構築にチャレンジすることを目的とする。
初年度はOGFOD1による抗腫瘍効果の網羅的解析と患者腫瘍組織を用いた免疫組織化学によるOGFOD1の発現の特徴を解析した。組織アレイを用いた解析により食道扁平上皮癌、咽頭・喉頭がん、肺扁平上皮癌などに高い発現を認め、これらの癌細胞株でのOGFOD1 knockdownは細胞増殖抑制を示した。一方、膵臓癌組織でのOGFOD1発現は低く、膵臓癌細胞株でのOGFOD1 knockdownは細胞増殖に影響を与えないが、OGFOD1の過剰発現により増殖抑制が生じることを見出した。以上のことにより腫瘍によりOGFOD1の役割が異なることが考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度はがん組織でのOGFOD1発現の特徴を解析することを目的としており、組織アレイや細胞株を用いた解析により癌の種類により異なる発現パターンを見出しおり、次のステップのための大きな知見が得られたと考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、OGFOD1発現制御に対し細胞死誘導に相反的反応を示す腫瘍細胞株をペアとして用いてOGFOD1結合分子を質量分析により同定・比較し、その分子機序を明確にしていく。また、制がん標的分子候補として、OGFOD1阻害ペプチドの開発や治療型組換えウイルスなどの応用による標的ツールの試作と担がんモデルマウスでの抗腫瘍効果の検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

OGFOD1の作用点を明らかにするために、質量分析による解析および生化学的解析に重点を置いて使用する。とくに、質量分析はOGFOD1結合タンパク質の探索研究を遂行するために必須であり、その解析費用を最重視する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プロリン水酸化酵素ファミリー OGFOD1の発現解析2013

    • 著者名/発表者名
      齋藤 憲
    • 学会等名
      日本病理学会
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      20130606-20130608

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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