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2013 年度 実績報告書

オルタナティブ・オートファジーモニターマウスの作出

研究課題

研究課題/領域番号 24659178
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

荒川 聡子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90415159)

キーワードオルタナティブ・オートファジー / モニターマウス
研究概要

オートファジーは細胞内の不要なタンパク質やオルガネラを分解するシステムであり、細胞の飢餓や薬剤ストレスなどで誘導される。我々は、オートファジーに必須とされてきたAtg5やAtg7に依存しない新たなメカニズムによる「オルタナティブ・オートファジー」を発見した。このオートファジーの生理機能を解析する上で、いつ、どこでオートファジーが働いているのか、その局在解析をすることは必須である。しかし、これまで広く用いられてきた従来のオートファジーマーカーのLC3-GFPではオルタナティブ・オートファジーを同定することができないため、オルタナティブ・オートファジーの存在はこれまで見過ごされてきた。そこで本研究では、このオルタナティブ・オートファジーを可視化できるマウスの作製を行なった。
まず、オートリソソームを可視化できるトランスジェニックマウスを作製し、Atg5欠損マウスと交配することによって、オルタナティブ・オートファジーのみを観察できるマウスを作製した。その結果、心臓の弁形成などにオルタナティブ・オートファジーが関与している事が判明した。
我々はさらに、オルタナティブ・オートファジーの隔離膜がゴルジ体から形成される事を発見したため、ゴルジ体の動態を明らかにできるようにゴルジ分子の可視化マウスの作製に成功した。また、新たに同定したオルタナティブ・オートファジー関連分子に関しても、可視化マウスの作製に成功している。
これらのマウスを用いて、分化過程の赤血球を観察したところ、最終分化の直前でオルタナティブ・オートファジーが活性化し、これによってミトコンドリアが除去されることが判明した。実際に、オルタナティブ・オートファジー欠損マウスでは、赤血球にミトコンドリアが残存している。なお、これらの知見をまとめた論文はNature Communicationsに受理され、近々公表される予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ulk1-mediated Atg5-independent macroautophagy mediates elimination of mitochondria from embryonic reticulocytes2014

    • 著者名/発表者名
      Honda S, Arakawa S, Nishida Y, Yamaguchi H, Ishii E, and Shimizu S
    • 雑誌名

      Nature Commun. in press

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alternative macroautophagy and mitophagy.2014

    • 著者名/発表者名
      Shimizu S, Honda S, Arakawa S, Yamaguchi H
    • 雑誌名

      Int J Biochem Cell Biol.

      巻: 50 ページ: 64-66

    • DOI

      10.1016/j.biocel.2014.02.016.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autophagic cell death and cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      Shimizu S, Yoshida T, Tsujioka M, Arakawa S
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci.

      巻: 15(2) ページ: 3145-3153

    • DOI

      10.3390/ijms15023145.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of epithelial cell death by Bcl-2 improved chronic colitis in IL-10 KO mice2013

    • 著者名/発表者名
      Mizushima T, Arakawa S, Sanada Y, Yoshino I, Miyazaki D, Urushima H, Tsujimoto Y, Ito T, Shimizu S
    • 雑誌名

      Am J Pathol

      巻: 183(6) ページ: 1936-44

    • DOI

      10.1016/j.ajpath.2013.08.012.

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of programmed cell death during mice development2013

    • 著者名/発表者名
      Arakawa S, Yoshino I, Tsujimoto Y, Shimizu S
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸(ポートアイランド国際会議場)
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] 中心体数の制御機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      荒川聡子、本田真也、渡辺雄一郎、小西昭充、清水重臣
    • 学会等名
      新学術研究領域「シリア・中心体による生体情報フローの制御」第二回領域会議
    • 発表場所
      名古屋(ルブラ王山)
    • 年月日
      20131128-20131129
  • [学会発表] Analysis of programmed cell death during interdigital web development2013

    • 著者名/発表者名
      Arakawa S, Yoshino I, Tsujimoto Y, Shimizu S
    • 学会等名
      第22回日本Cell death学会学術集会
    • 発表場所
      京都(京都大学芝蘭会館)
    • 年月日
      20130719-20130720
  • [学会発表] A Cell-Death Inducing Chemical Targets on the Centrosome2013

    • 著者名/発表者名
      Arakawa S, Watanabe Y, Murohashi M, Honda S, Konishi A, Yamaguchi H and Shimizu S
    • 学会等名
      The 25th CDB Meeting Cilia and Centrosomes, from Fertilization to Cancer
    • 発表場所
      神戸(理化学研究所)
    • 年月日
      20130617-20130618
  • [備考] 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 病態細胞生物学分野ホームページ

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/mri/pcb/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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