本研究では、A群レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes: GAS) が、健常者に病原性を引き起こさずに常在を可能とする未知の因子を明らかとすることを目的とした。その結果、健常人の8割以上がA群レンサ球菌を無症候性キャリアであること、また、実際にA群レン サ球菌を単離方法を検討することにより、健常人からの本菌単離培養することに成功した。また、マイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析により、本菌の細胞内常在を可能とする遺伝子を3個同定することができた。また、本遺伝子は情報解析の結果、幅広い常在細菌にも存在し、バクテリオファージを介して共有されているものと考えられた。
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