研究課題/領域番号 |
24659198
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 宏樹 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (80222173)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 細菌 / IV型分泌 / タンパク質分泌 / 接合伝達 / レジオネラ |
研究概要 |
IV型分泌系の「コア複合体」は内膜側半分が中空構造をしており、実際の分泌活性のある超複合体の形成には、さらなる内膜タンパク質の組み込みが必要であると想定される。一方で、コア複合体は閉じた構造をしており、内膜タンパク質を組み込むには何らかの構造変化が必要である。IV型分泌系の機能未知のATPaseであるDotOはこのコア複合体と内膜チャネルタンパク質の双方と相互作用することから、輸送活性のある超複合体を形成する過程で機能すると考えている。本研究では、新たな超複合体検出法を確立することによってこの仮説を検証し、タンパク質複合体形成における ATPase の新規機能を明らかにすることを目的とする。本年度は、超複合体の検出法をクロスリンクの導入により生化学的解析、およびコア複合体およびDotIJ複合体構成タンパク質細菌内局在の細胞生物学的解析を行った。その結果、定常増殖期、すなわち感染適期のレジオネラにおいて、1)コア複合体とDotIJ複合体の局在は大きく異ること、2)しかしながらそれらの一部は超複合体を形成している可能性があること、を見出した。これらのことから、定常増殖期の細菌内では超複合体はほとんど形成されておらず、その形成には宿主細胞との相互作用など何らかのトリガーが必要である可能性が示唆された。今後、感染時の動態を含めて、コア複合体・DotI・DotOの相互作用について解析を進めていくことにより、超複合体仮説の検証を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書記載の本年度の研究計画は概ね達成している。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の結果から、感染時の動態を含めた解析の重要性が示唆された。交付申請書記載の計画に加えて、感染時の動態を含めた解析を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は軽微な端数の繰越であり、次年度の使用計画に特段の変更はない。
|