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2013 年度 実績報告書

ヒトヘルペスウイルス6による宿主免疫抑制機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24659206
研究機関神戸大学

研究代表者

森 康子  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50343257)

キーワードHHV-6 / CD6発現低下
研究概要

ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)は、βヘルペスウイルス亜科に属する。T細胞に主に感染し、子孫ウイルス粒子を産生することができる。今回我々は、T細胞に発現し、免疫シナプス形成に重要な働きをするCD6が、HHV-6感染細胞の膜面から発現低下していることを見出した。さらにその発現低下は、膜面のみならず感染細胞内でも低下していることが明らかとなった。そこで、そのCD6発現低下が感染のどの時期でおこるのかを確認するため経時的に発現低下を解析した。その結果感染後12時間では既に発現低下が見られた。次にウイルスDNA合成が必要か否かを解析するためウイルスDNA阻害剤であるPFA存在下でHHV-6感染を行い、CD6発現を解析した。その結果、CD6発現低下は、PFAの存在下でも起こることが明らかとなった。
次にHHV-6のどの遺伝子がこの発現低下に関与しているのかを解析することにした。HHV-6には、特異的な遺伝子クラスター、U21-U24が存在する。そこでその遺伝子クラスターがこのCD6発現低下に関連性がないかを解析した。本仮説を検証するためHHV-6よりこのクラスターを欠損させたウイルスゲノムを大腸菌内での組換えにより作製した。欠損させた遺伝子群は、ウイルス増殖には非必須であったため、この遺伝子群を欠損させたウイルスは、ウイルスゲノムから再構築された。そこでこの欠損ウイルスを用いて野生型ウイルスと比較することによりその作用を検討した。結果、欠損ウイルスは、野生型ウイルスに比較してCD6発現低下を抑制するように思われた。しかし、感染状態によりその差は明らかとならないケースもあった。本データからは、このクラスターがCD6発現低下に機能していると結論付けることはできないが関与している可能性は示唆された。HHV-6は、感染により免疫シナプス形成に重要であるCD6を発現低下させ、この現象は宿主の免疫回避に一躍を担っていることが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Characterization of the human herpesvirus 6A U23 gene.2014

    • 著者名/発表者名
      Hayashi, M., Yoshida, K., Tang, H., Sadaoka, T., Kawabata, A., Jasirwan, C., and Mori, Y.
    • 雑誌名

      Virology

      巻: 450-451 ページ: 98-105

    • DOI

      10.1016/j.virol.2013.12.004.

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒトヘルペスウイルス6B感染により引き起こされる宿主因子の発現低下2013

    • 著者名/発表者名
      林 麻佑子、河端 暁子、湯 華民、定岡 知彦、森 康子
    • 学会等名
      第61回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131110-20131112
  • [学会発表] Human herpesvirus 6 U21 to U24 gene cluster is not essential for the virus growth2013

    • 著者名/発表者名
      Chyntia Jasirwan, Takahiro Maeki, Huamin Tang, Yasuko Mori
    • 学会等名
      第61回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131110-20131112

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公開日: 2015-05-28  

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