研究課題/領域番号 |
24659209
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
安田 二朗 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (10282518)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 抗ウイルス / ラッサウイルス |
研究概要 |
本研究は、ラッサ熱に対して有効な新規療法を開発する為に化合物ライブラリーから抗ウイルス剤候補物質を探索することを最終目標として進めている。ラッサウイルスはBSL-4に分類される病原体であり、感染性ウイルスの取扱いはBSL-4施設内に限定される。現在、日本国内ではBSL-4研究施設が稼働していないため完全なラッサウイルス感染系は薬剤スクリーニングに利用できない。また、感染系はハイスループット・スクリーニングに適していない。そこで、本年度はP2実験室で可能な感染性ウイルスを用いないハイスループット・スクリーニング系として下記の2つのスクリーニング系を開発に取り組んだ。 1、ウイルスタンパク質の多量体化を阻害する化合物のスクリーニング系の開発:ラッサウイルスの粒子形成にはウイルスマトリクスタンパク質であるZのホモ多量体化が必須である。そこで、VP16(転写活性化ドメイン)-Z融合タンパク質とGAL4(DNA結合ドメイン)-Z融合タンパク質を発現するプラスミドを構築した。さらにGAL4結合領域をもつルシフェラーゼ発現プラスミドも構築し、これら3種のプラスミドを導入した細胞株を樹立し、Two-hybrid系でレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)を発現するスクリーニング系を開発した。 2、ウイルスタンパク質と宿主因子の相互作用を阻害する化合物のスクリーニング系の開発:Zと宿主因子Tsg101の相互作用を阻害する化合物のスクリーニング系を開発する為にVP16(転写活性化ドメイン)-Z融合タンパク質とGAL4(DNA結合ドメイン)-Tsg101融合タンパク質を発現するプラスミドを構築した。1と同様に3種のプラスミドを導入した細胞株を樹立し、Two-hybrid系でレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)を発現するスクリーニング系を開発した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りスクリーニングシステムの開発を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
開発したスクリーニングシステムを用いて化合物ライブラリーのハイスループット・スクリーニングを行い、抗ウイルス剤候補物質を探索する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本年度購入を予定していた化合物ライブラリーなど高額な試薬の購入を行わなかった為、研究費の残が生じたが、その分は次年度に購入するため予算は予定通り消化される見込みである。
|