研究課題/領域番号 |
24659210
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長谷部 太 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 教授 (20253693)
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キーワード | デングウイルス / ウイルス準種 / 次世代シーケンサー / 多様性 / 病原性 / ベトナム |
研究概要 |
【デング患者体内でのデングウイルスの多様性(ウイルス準種)の解析】 平成25年度文部科学省新学術領域研究「ゲノム支援」プログラムに同研究課題で申請し採択された。研究支援機関となった宮崎大学フロンティア科学実験総合センターの担当者と研究打ち合わせを行い、ウイルスRNAを増幅することなく直接解析するstrand-specific RNA sequenceをすることが可能かどうか、デング患者20症例の血漿中のウイルスRNAの定量を行った。RNA量がstrand-specific RNA sequence解析には足りていなかったため、RT-PCRで増幅したcDNAを次世代シーケンサーで解析する方向で、デングウイルス1型及び2型の全ウイルス遺伝子領域を増幅するPCRの条件設定を行った。 【宿主の違いによるウイルス遺伝子の変動の解析】 宿主の違いによるウイルス遺伝子(ウイルス準種)の変動、培養細胞によるウイルス準種の選択性を解析することを目的として、デング患者血漿を蚊由来培養細胞(C6/36細胞)及び哺乳動物由来細胞(Vero細胞)に接種し、2種類の由来の異なる培養細胞を用いてウイルス分離を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年1月下旬から2月中旬まで手術のため入院。その後の療養休暇をとったため、解析用の検体の準備が少し遅れてしまった。3月上旬までには宿主細胞の違いによるウイルス遺伝子の変動の解析をするための検体を準備することが可能であったが、次世代シーケンサーによる解析を外注した場合、年度内に解析結果の受け取りが出来なかったため外注にかかる経費を繰り越しした。
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今後の研究の推進方策 |
【デング患者体内でのデングウイルスの多様性(ウイルス準種)の解析】 デングウイルス1型及び2型感染デング患者の血漿からTotal RNAを抽出し、RT-PCR法でウイルス遺伝子全領域をカバーするcDNAを作成し、次世代シーケンサーを用いてデング患者体内でのデングウイルス多様性について解析を行う。 【宿主の違いによるウイルス遺伝子の変動の解析】 昨年度のデングウイルス1型及び2型感染デング患者の血漿を蚊由来培養細胞(C6/36細胞)及び哺乳動物由来細胞(Vero細胞)に接種し、それぞれの培養細胞からウイルス株が得られている。それぞれの培養上清からウイルスRNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いてウイルス遺伝子の多様性について比較解析を行う。 上記2つの解析からウイルス遺伝子の可変領域が推定された場合、その遺伝子領域を標的にして、新たに発症したデング患者血漿中のウイルス遺伝子について多様性の解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年1月下旬から2月中旬まで手術のため入院。その後の療養休暇をとったため、年度後半に予定していた解析用の検体の準備が遅れてしまった。3月上旬までに解析用の検体が準備できたが、次世代シーケンサーによる解析を外注した場合、年度内に解析結果の受け取りが出来なかったため外注にかかる経費を繰り越しした。 昨年度準備して納期が間に合わず解析できなかった検体の次世代シーケンサーによる解析(外注)に繰り越した経費499,520円を使用する。平成26年度も新たにデング患者検体を採取し、次世代シーケンサーによるデングウイルス遺伝子解析のための試薬や検体輸送、旅費に使用する予定である。 物品費:700,000円、旅費:200,000円
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