研究課題
DENV-1感染患者血漿16検体、DENV-2感染患者血漿15検体からTotal RNAを抽出し、ランダムプライマーを用いてcDNA合成を行った後、各種プライマーの組み合わせでウイルス遺伝子全領域の増幅を行った。これまでの解析結果から、ベトナム中部で2013年に流行したDNNV-1、及び、DENV-2流行株のドミナントなウイルス遺伝子の配列(Genotype及びSub-genotype)が確認された。DENV-2の解析結果からNS-5タンパク遺伝子の3’末端の終止コドンの配列が変化し、NS-5の3’端に更に27アミノ酸が付加される塩基配列が確認された。デングウイルスのNS-5蛋白はRNA依存性RNAポリメラーゼ酵素(RdRp)活性を有し、ウイルス遺伝子の転写に重要な役割をもつ。今回、デング患者血漿中に存在するDENV-2のNS-5タンパク遺伝子に確認された変異はNS-5の蛋白構造、及び、RdRp活性に何らかの影響を及ぼす可能性が考えられる。デングウイルス1型、2型、3型、4型感染患者血清をそれぞれ、蚊の培養細胞(C6/36)及びサルの培養細胞(Vero)に接種して、分離された培養上清中のウイルス遺伝子を次世代シーケンサーで解析したところ、デングウイルス1型のウイルス株でC6/36細胞(蚊)とVero細胞(哺乳類)での細胞向性に関与すると考えられるウイルス遺伝子領域が確認された。現在、ウイルス株のクローニング及びデングウイルス1型感染性クローンを用いて変異体を作成し検証実験を進めている。2013年にベトナム中部で発生した、デングウイルス4型を主流としたデング熱大流行の分子疫学的解析を行い、論文にまとめ発表した(J. Clin Virol 66; May 2015.24-26)。
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Journal of Clinical Virology
巻: 66 ページ: 24-26
10.1016/j.jcv.2015.02.01
科学療法の領域 2015年5月号(2015年4月25日発行)特集「野外活動と感染症」
巻: 5月号 ページ: 57-65