研究課題/領域番号 |
24659213
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
鶴見 達也 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍ウイルス学部, 部長 (90172072)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | EBV / 複製 / 転写 |
研究概要 |
Epstein-Barrウイルス(EBV)ゲノム複製は宿主細胞核内の局在した部位で始まり、そこではウイルスゲノムの複製・転写・ウイルスカプシドの組み立て、カプシドへのパッケージング等の各種イベントが連続的におき、ヌクレオカプシドが組立てられる工場(EBV複製ファクトリー)となっている。本研究の目標はこのEBV複製ファクトリーの内部構造を時間的空間的に視覚化し、複製・転写・ウイルスカプシドへのパッケージング等の各イベントが複製ファクトリー内のいつ、どこで行われているのかを明らかにすることである。この解析により、これまでわからなかった複製工場内の製造組み立ての詳細を時間軸に沿って把握することが期待できる。我々はEBV複製ファクトリー内にBMRF1コアと呼ぶ構造物が存在することを発見し、EBVのゲノム複製はコアの外側で主におこり,その後ウイルスゲノムはコアの内部に貯蔵されることを見いだした。本研究ではさらにそれを発展させ、RC内にあるBMRF1コアに対して最早期、早期,及び後期転写の場、カプシド組み立て、カプシドへのパッケージングの場を明らかにし、RCにおける各種イベントの時間的・空間的位置関係とこれまで蓄積しているウイルスゲノムの複製・転写・ヌクレオカプシド組み立ての情報の体系化を目指している。ウイルスゲノムの転写はその時期により,最早期、早期,後期に分類される。早期転写はウイルス複製蛋白質やヌクレオチド代謝に関与する遺伝子が転写され,後期転写ではウイルス構造遺伝子が転写される。平成24年度においては早期転写は主にコアの外側でおこり、後期転写はコアの内部でおきることを見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EBV複製ファクトリーの内部で複製及び転写が感染の進行と共に仕分けられていることを世界で初めて明らかにすることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後はEBV複製ファクトリーのどこでウイルスカプシドが組み立てられ,その中にウイルスゲノムが注入されるのかを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
ウイルス蛋白質発現ベクターを作成し、またタグ抗体を購入する予定である。
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