研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究で用いている最近開発された実験『オプトジェネティクス』はスタンフォード大学のDeisseroth博士らが、細胞株にて光と光感受性のイオンチャネルによって神経を人為的に刺激できることを示して以来始まった学問分野である.現在までオプトジェネティクスを免疫学/炎症の分野に応用した事例は皆無である。本研究では、光感受性/抑制性のイオンチャネルをThy1プロモーターの下流にて発現させたトランスジェニックマウスを用いて、生体内にて光ファイバーによって局所的に神経の活性化を誘導して支配領域の血管内皮細胞の活性化をコントロールし、特にケモカインの発現を変化させて自己反応性T細胞を特定の臓器に人為的に集積させる制御システムを作ることを目的とするものである。これらから、神経活動と免疫反応のリンクを詳細に証明して臓器特異的な自己免疫/慢性炎症性疾患の原因としての“交感神経の過剰な活性化”を分子の言葉で証明し、新たな自己免疫疾患モデル『2コンディションモデル』を提唱する。現在オプトジェネティックス用の光感受性のイオンチャネルを発現したトランスジェニックマウスを複数種類導入して予備実験としてレーザー強度、時間の設定が終了した。今後特定の神経/神経節/神経野を活性化することでその支配領域の血管からのケモカインの発現が変化するか否かを検証する。次いで、状態が変化する血管が認められればMOG特異的な自己反応性T細胞を移入することでその部位へのT細胞の浸潤が認められるか否かを解析する。
2: おおむね順調に進展している
現在、プローブを生体内に留置できるオプトジェネティクスを導入して神経刺激を行って予備的な実験を行っている。興奮性・抑制性ロドプシンを神経種特異的に発現したトランスジェニックマウスはすでに増えている。脳内の比較的深い領域でも光ファイバーを用いて照射し目的の神経核、神経を活性化できている。主として用いている電気刺激の実験系がきちんとオプトジェネティックスで再現できるか否かを検証して良好な結果を得つつある。
現時点で、主として用いている電気刺激による神経刺激の実験系がきちんとオプトジェネティックスで再現できるか否かを至急検証する。筋肉への電気刺激による感覚神経への刺激導入とその後の交感神経刺激をそれぞれ別々にオプトジェネティックスで刺激できるように実験系を整えている。その後、病気導入の系で実験を行う予定にしている。
該当なし
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