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2012 年度 実施状況報告書

地方医療圏における全県的医療情報共有による広域搬送システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24659229
研究機関弘前大学

研究代表者

花田 裕之  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20250615)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード医療情報共有サーバ / 急性冠症候群
研究概要

1,コンピュータサーバシステムの構築;今後のデジタル化心電図伝送にも対応可能なようにサーバを探したため、設置が年度末になった。現在各病院間でのデータやりとりのために、ソフト面を整備中であり、平成25年5月下旬からの運用を目指して、現在ソフトの構築と各病院間との連絡網の整備を行なっている。
2,携帯電話を用いた心電図伝送;既に10例を超えるスマートフォンを利用した心電図伝送が行われ、これらを用いた場合の総虚血時間は2時間程度になっており、有効性が確認された。
3.既存のインフラ(ITC)を用いた通信の整備;
(1)現在青森県では2機のドクターヘリが運用され、本年度からは秋田・岩手とも協定が結ばれ、北東北3県を4期のドクターヘリでカバーする。弘前大学医学部附属病院はドクターヘリを運用してはいないが、外科系内科系とも重症患者を受け入れており、ヘリの出動現場から直接搬送されることも多い。この場合、ヘリの基地病院への搬送でないため、患者情報が伝わりにくい欠点があった。ヘリは消防・基地病院とは直接交信できるが、我々の施設とは交信できないためである。これを解消し患者情報をやり取りしやすくするため、LTE(G4)を用いてテレビ電話を現地とやり取りする。器機の導入を平成25年4月までに行ったので、実証を行なっている。弘前市内で行ったドクターカーとのやり取りでは綺麗に画像と情報を同時にやりとりできている。今後ドクターカー出動時に常に使用する予定である。
(2)患者情報はコンピュータサーバーを介して共有できるが、意思の少ない青森県では当直医がCTや心電図を専門医にコンサルとしたいと思うことが少なくない。これにより、無駄な転院搬送を回避可能となる。3-(1)で用いたテレビ電話システムで画像を見ながら話ができることでより簡単に専門医へのコンサルトが可能になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

サーバの機種選定に時間がかかり、実施が多少遅れている。ただし、その間に発達した既存のインフラを利用することができるようになり、これを用いて別の角度からの救急患者の情報のやり取りが可能になった。今年度はサーバの運用と同時に既存のITCを用いた患者情報やりとり、専門医へのコンサルテーションを行う。
携帯電話を用いた心電図伝送は十分に判読可能で、心筋梗塞患者の総虚血時間の短縮に有用であることがわかった。
外傷や緊急手術が必要な重症患者の全県的な診療システムについて、ヘリ搬送時の情報共有システムが確立されつつある。また同時に専門医へのコンサルテーションについて、画像を用いながらの検討システムを簡単なテレビ電話システムで行えるようになった。

今後の研究の推進方策

急性心筋梗塞患者の心電図伝送はうまく運用されているので、12誘導心電図導入に向けてのより簡便な心電図電極の開発を今年度行い、検証する。救急車に乗らなかった患者の場合は医療機関受診から転院搬送までを短縮することが重要であり、テレビ電話システムとサーバへでの患者情報共有で短縮できるか検討する。予定通り通信機器の通信料を使用する(699,000円予定)。
簡単なテレビ電話システムのドクターヘリ・ドクターカーとの通信、患者情報のコンサルテーション、重症患者の情報共有について症例を重ねて、有用性を検証する。通信費は上記と共有。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 地方医療圏における急性心筋梗塞治療の問題点と対策2012

    • 著者名/発表者名
      花田 裕之
    • 学会等名
      第26回冠疾患学会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス
    • 年月日
      20121215-20121215

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公開日: 2014-07-24  

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