研究課題/領域番号 |
24659230
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋本 幸一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80463826)
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研究分担者 |
中田 由夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00375461)
原田 義則 筑波大学, 学内共同利用施設等, 特命教授 (00455932)
馬見塚 尚孝 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50580510)
安田 貢 独立行政法人国立病院機構水戸医療センター(臨床研究部), 救命救急センター, センター長 (70528489)
藤江 敬子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80623959)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 臨床試験 / プロジェクトマネージャー / 臨床研究コーディネーター |
研究概要 |
地域密着型の自主臨床試験の支援体制の構築を目指し、一般病院やクリニックなどにおいて自主臨床試験を実施するにあたっての問題点を抽出するために、アンケート調査およびヒアリングを実施した。臨床研究に興味はあるものの多忙で時間がないために実施できないと回答した医師が多かった。また、希望している支援内容に関しては、統計解析、プロトコルの作成支援、CRC(臨床研究コーディネーター)の派遣が多かった。さらに、自施設に倫理委員会を設置していない施設も多い。 モデルケースとして、分担研究者が所属する医療施設を中心とした整形外科領域の多施設共同無作為化割付臨床試験を実施した。一般病院2施設、クリニック1施設の3施設で実施し、ほぼ予定通り134例の目標症例を登録することができた。最終登録症例の観察が終了し、現在データクリーニング中である。本試験では、プロジェクトマネジメント、CRC派遣、統計解析、データセンターの支援を実施した。 地域一般病院およびクリニックの医師は、大学附属病院などと比較して地域の患者に接する時間が長く、患者指向型のシーズのアイデアが浮かび安い環境にあり、ニーズにマッチした医療技術、医薬品、医療機器の開発に結びつく可能性が高いと考えている。しかし、患者アンケート・ヒアリング調査、臨床試験の支援実施を通して、一般病院およびクリニックの医師は多忙で、研究に費やす時間がほとんど取れないのが現状であった。地域一般病院およびクリニックにおいて自主臨床試験を実施するにあたっては、CRCによる被験者サポート、およびカルテなどよりデータを抽出するデータマネージメントが特に重要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般病院やクリニックなどにおいて自主臨床試験を実施するにあたっての問題点を抽出するために、アンケート調査を1回、ヒアリングを2施設で実施した。今後、アンケート回数、ヒアリング実施施設を増やし、さらに現状調査、要望等の抽出を進める必要がある。 モデルケースとして実施した一般病院を中心とする多施設共同臨床試験は、極めて順調に進行しており、問題点も抽出できた。本試験を通して、質の高い臨床研究を効率的に実施する方法を検討し、学会発表を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに、アンケート調査は1回、ヒアリングは2施設の実施であることから、自主臨床研究を実施するにあたっての問題点を十分に抽出できたとは言い難い。JA茨城県厚生連関連病院や筑波大学の教員を派遣している筑波大学附属病院の関連病院、また「つくば治験ネットワーク」参加施設に協力頂き、より多くの医師、コメディカルから情報を収集する予定である。 モデルケースとして実施した多施設共同臨床試験の支援を通して、医師のみならず、施設の看護師や理学療法士などのコメディカルの協力が極めて重要であることが判明した。コメディカルが研究に参加し、自ら学会、論文発表ができるような臨床試験を計画し、支援していく。 臨床研究の普及、活性化のためには、研修医の段階からの臨床研究に関する教育が必要であると考える。分担研究者の医療施設において、研修医からも臨床研究のアイデアを募集し、指導・支援していくシステムを構築する。 今年度改訂される予定である「臨床研究に関する倫理指針」では、介入を伴う臨床研究(臨床試験)はICH-GCPに準拠した形式で実施することが求められることから、品質管理の支援システムを構築していく必要がある。モデルケースの臨床試験において、オンサイトのモニタリングも取り入れ、効率的なモニタリング方法を検討していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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