研究課題/領域番号 |
24659231
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松崎 一葉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10229453)
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研究分担者 |
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
望月 昭英 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40301080)
吉野 聡 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50510195) [辞退]
友常 祐介 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, その他 (90512418) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ソーシャルファーム / ソーシャルエンタープライズ / 就労継続支援A型事業 / 復職支援 / 就労支援 / うつ病 / 精神疾患 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
我が国において、うつ病などの精神疾患による休職者数は増加の一途をたどっている。休職者に対するアプローチとして、健康保険を利用したリワークプログラムが大きな効果を上げているが、参加してもなお復職困難な者もおり、依然として大きな問題となっている。 そこで、海外で広く行われているソーシャルファームに注目した。ソーシャルファームは、私企業とNPOの中間に位置し、税金などの社会資源を投入することなく、障害者等を雇用しながら生産性を維持している企業のことである。ソーシャルファームでは、リワークプログラムでは行うことのできない「従業員となり実際に働く訓練」や「生産活動」を行うことができ、また社会資源を消費しな いという点からも意義が大きいと考えられ、ソーシャルファームの復職支援の場としての有用性について検討した。 この利用者の復職準備性について縦断的に調査を行い、復職準備性として抑うつ度(CES-D)、ストレス対処力(SOC)、認知機能(Stroop Test, Trail Making Test, 三宅式記銘力検査)を検討した。その結果、特に認知機能検査のStroop Testにおいて有意な改善を認め、日本型ソーシャルファームの利用が復職準備性の改善に寄与することが示唆された。 また、この利用者の心理的変化については、質的研究を半構造化面接で実施した。逐語記録を分析データとし、グラウンデッド・セオリー・アプローチStrauss&Corbin版により分析した。その結果、3つのカテゴリーグループ “前職を退職するまでの心理的変化”“現職場における心理的変化”“現職場に来てから次の職場へと移行するための心理的変化”が生成され、ソーシャルファーム利用者の心理的変化が明らかになり、復職準備性に影響することが示唆された。以上より、ソーシャルファームの復職支援の場としての有用性についての可能性が見出された。
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