平成25年度は、本院の研究協力医師、研究協力看護師に、仮想デスクトップソフトウェアを導入した多機能小型携帯端末を用いて、病院情報システム画面を使用して、臨床現場での使用を想定した操作性、形状、重量等の評価を実施した。評価用の多機能小型携帯端末としては、機種及びOSの異なる、複数のBSP(Business Smart Phone)とタブレット型端末を用いた。さらに、既に病院情報システムの一部として多機能携帯端末を導入する病院もみられるようになってきたたため、文献調査を実施するとともに、一部の病院からは使用状況の聞き取り調査を実施した。これらをあわせ、運用上の課題や問題点の整理をおこなった。本研究で利用した従来の病院情報システム画面をそのまま携帯端末上で利用する仮想デスクトップソフトウェアによる方式では、導入及び設定が容易な反面、画面が小さくタッチパネル操作が中心の携帯端末では、その操作性を十分に生かすことができなかった。今後、これらの機器の活用の場面を広げ、新たな院内医療情報基盤を構築するには、ユースケースに基づく専用のユーザインターフェイスの開発の必要性が示唆された。なお、本研究の成果の一部は、Mobile HealthをテーマとしたNuring Informatics 2014(国際看護情報学会 2014、台湾)のPostーConferenceで、各国研究者に報告する予定である。
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