研究課題/領域番号 |
24659236
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉川 文広 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50313234)
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研究分担者 |
深山 治久 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20189921)
河野 龍太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (90468330)
飯島 毅彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10193129)
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キーワード | クルーリソースマネージメント / ヒューマンエラー / 医療安全 / リスクマネージメント / Non - Technical Skills / Self Management / Team Management / Total Management |
研究概要 |
航空業界では,安全で効率的な運航を達成するために,すべての利用可能な人的・物的資源,ハードウェアおよび情報を効率的に活用するCrew Resource Management (CRM)が教育されている.本研究は,このCRMに着想し,医療の安全性を向上させ,患者と社会に貢献することを目的に,CRMを歯科医療に応用する可能性を検討した.その後,CRMを歯科医療に即した教育プログラムに修正したDental Staffers Resource Management (DSRM)を考案し,歯科医療従事者向けのワークショップを実施し,その評価を行い歯科医療のリスクマネージメントを教育するシステムを試作した. 1)歯科医師,歯科衛生士,医師,医療安全を専門とする医療関係者らが,実際に航空会社の運航乗務員らとともに2泊3日でCRMを受講した.受講後,CRMの理解度,口腔分野への応用,CRMに関連する教官,教材,訓練施設やCRMは歯科領域への有用性を見出すのに有効であったかなどについてアンケート調査を行った.その結果,CRMは歯科医療に応用することが可能であり,歯科医療の安全性を向上させる手段の一つになりえることが明らかになった. 2)歯科衛生士20名を対象として,DSRMの講義,個人ワーク,グループ討論などのワークショップを行った.歯科医院で起こるヒューマンエラーや人間関係をテーマにしたビデオや環境のマネージメントなどDSRMの8つのプログラムを実施してそれらに対するアンケート調査を行った.その結果,DSRMはすべての調査項目で中等度以上の評価を受け,歯科医療のリスクマネージメントと安全性を向上させる教育手段の一つになることがわかった.CRMは毎年テーマを変え実施されているので,DSRMも同様に,今後テーマや改良を加え実施することで歯科医療の安全性を向上させることが期待できる.
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