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2014 年度 実績報告書

臨床推論学習とコミュニケーション学習を融合した医療面接実習方略の構築とその評価

研究課題

研究課題/領域番号 24659239
研究機関名古屋大学

研究代表者

伴 信太郎  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40218673)

研究分担者 西城 卓也  岐阜大学, 医学部, 准教授 (90508897)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード外来実習 / 医療面接 / ロールプレイ / 小グループ討議 / 共感 / コミュニケーションスキル / 省察
研究実績の概要

平成26年度は、平成24・25年度に行ったフォーカスグループ(全12グループ)のデータを質的に分析し、理論生成を行った。結果は以下の通りである。実際の患者情報に基づいてロールプレイを行うことによって、学生は、実際の症例についての情報が潜在させる「診断との関連性の不確かさ」という特性を認識し、リアリティを感じていた。しかしその限界に影響する要素として、学生が把握している患者情報の限定性や、指導医の言葉や学生自身の解釈によって実際の患者とは異なる患者像が形成されることがあげられた。これらに加えて、実際の患者情報に基づくロールプレイは、患者役学生に、患者の視点の構成要素である「患者としての感情」を自覚させるとともに、医師としての自他比較の機会を提供していた。それによって患者役学生は、メタ認知的な視点をロールプレイ中に意識し、自分自身が患者と行ったコミュニケーションをより深く省察することができていた。このように、学生自身が診察した特定の患者とのコミュニケーションに関する深い省察を行うことで、学生は患者一般に適応しうるコミュニケーションスキルについて学ぶことができていた。さらに、患者役学生の深い省察や、それによって得られたコミュニケーションスキルへの理解は、グループディスカッションを通じて周囲の学生に共有された。ただし、学生の患者の視点に関する理解は、感情面に関する理解に限定されており、患者の社会的背景への理解も、医学生自身と異なる社会的背景を持つ患者に対する社会的優越感に基づく、偏った理解になる可能性が示唆された。現在、論文作成中である。
尚、研究成果の一部は、研究協力者の高橋徳幸が、本研究における経験をベースに独力で論文発表を行ったので、研究代表者の名前は共著者として入れなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 卒前の心身医学教育に望むこと2014

    • 著者名/発表者名
      高橋徳幸
    • 雑誌名

      日本心療内科学雑誌

      巻: 18 ページ: 196-203

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 基本的臨床能力としての医療面接法再考2014

    • 著者名/発表者名
      伴信太郎
    • 雑誌名

      日内誌

      巻: 103 ページ: 729-733

  • [学会発表] Exploring the effect of using real patients' cases in peer role-play in undergraduate medical interview education: a qualitative study2015

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Takahashi, Muneyoshi Aomatsu, Takuya Saiki, Takashi Otani, Nobutaro Ban
    • 学会等名
      AMEE 2015
    • 発表場所
      Glasgow, UK
    • 年月日
      2015-09-05 – 2015-09-09

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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