研究課題
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、周辺住民は長期間の避難を余儀なくされている。今後、広範な除染作業とともに、住民の帰宅が順次進められることが予想されるが、除染によっても線量が事故前のレベルに戻るには時間がかかることが予想され、住民の間では、「低線量被ばく」を継続することに伴う心理的ストレス、さらにはそれに伴う自律神経系への影響が懸念され、リスクマネジメントの観点からも極めて重要な問題となることが予想される。研究代表者は近年、放射線被ばく線量に加えて、心電図、表面温度、さらには加速度を一元的にモニタリングできる小型モニタリングチップの開発を、企業と連携して進めてきた。本申請ではこれまでの研究を踏まえ、チェルノブイリ、セミパラチンスクにおいて、放射能汚染地域に居住する住民を対象として、精神的健康度の評価、及びモニタリングチップを用いた自律神経系の評価を行った。その結果、特にチェルノブイリ周辺住民における心理的ストレスを定量的に評価することができた。さらに我々は、得られた知見を福島に還元すべく、福島県川内村に長崎大学・川内村復興推進拠点を設置し、これから帰還する住民における実際の個人被ばく線量の評価を行い、実際に生活を行う上で被ばくする線量と空間線量率との相関と乖離についての検討を行い、今後避難地域住民が生活するうえでの安全・安心の担保を科学的知見をもとに行うことに貢献している。
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