研究課題/領域番号 |
24659244
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石埜 正穂 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30232325)
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研究分担者 |
飯田 香緒里 東京医科歯科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90570755)
西村 訓弘 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30402689)
小野寺 理恵 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60393328)
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キーワード | 国際情報交換 / イギリス / フランス / 先端医療 / 再生医療 / 薬事 / 共通評価指標 / バリデーション |
研究概要 |
先端医療材料の開発は、従来型の企業主導による低分子医薬開発と異なる戦略をとらざるを得ず、大学やベンチャー企業が手探り状態で進めている。本研究では再生医療等の先端医療の実用化推進において、効率的な薬事評価をサポートするためのインフラをいかに築き得るかを検討した。 日本薬局方の改定や必要なガイドラインの制定に関しては、現在の枠組みでは学会や業界からの声を受けた厚生労働省やPMDAが衛生研究所や厚労科研費の活用とともに、各種委員会の審議とパブコメを経る必要がある。これらは何れにしても巷の声が大きくならなるまで遂行不能であることから、最先端の技術に関しては活用困難であり、効率性・スピードにも欠ける。このことから、まずは規制当局とは一線を画した政策によってインフラ構築の支援を行う必要性が強く感じられた。 そのような支援のうち政府や公共機関の補助金としては、経済産業省の「再生医療等産業化促進事業」が当研究期間中にスタートしていた。海外を見ると、欧州でIMIのような大きな枠組みが機能しはじめているほか、例えば英国でもCATAPULTが先端医療支援の枠組みが始動しはじめている。これらの政策的支援は、上記インフラの構築に極めて重要な枠割を果たすであろう。 しかしながら、欧州の薬事審査においては、検査ステップの簡略化等について、開発者が合理的に説明すればそれを認めるという構造が基本になっていた。従来PMDAは当該運用が非常に硬直的であり、最近は柔軟な方向に変革しつつあるとはいえ、依然として当該基本的スタンスを崩していない。新規にバリデートされた評価手法やガイドラインを整備することも重要であるが、これらは逆に技術の固定化を招くという欠点も有する。従って、審査に合理的な柔軟性を取り入れるための枠組みを検討することこそが、先端医療の実用化促進にあたって、総合的には極めて重要であると考えられた。
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