研究課題/領域番号 |
24659249
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
柿沼 孝泰 東京医科大学, 医学部, 講師 (80366111)
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研究分担者 |
相馬 孝博 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会(臨床研究施設・研究部門), その他部局等, 病院副院長 (90262435)
内野 博之 東京医科大学, 医学部, 教授 (60266476)
山内 豊明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20301830)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リスクマネジメント / 麻酔科学 / アラーム機器 / 医療機器 / 医療安全 |
研究概要 |
本研究は、アラーム機能を備えた医療機器の適正な使用と運用により、医療安全を向上させることを最終的な到達点とし、具体的な論点として、どのような組織的状況下で、どのような個人が、どのような機器を使用することで警鐘事象が生じているのかという点を明らかにすることである。また本研究においては「医療機器の側面」「個人特性およびヒューマン・エラーの側面」、そして「組織形態の側面」の3側面の関連を明らかにし、かつそのための具体的な方策を提示するのみならず、個別医療機関におけるその展開を可能とすることをより具体的な目的とするものである。 そこで、初年度においては、アラーム機能を備えた医療機器の使用に関する現状把握としてアラーム機能を備えた医療機器が実際の現場(ハイケアユニット、療養病床などを含む)でいかに利用されているか、(アラームを感知するための環境整備も含めて)アラーム作動時にいかなる対応がとられているか、という点を主な論点として研究組織および関連医療機関の関係者を中心に当該課題の検討を行い、最終的に論点の整理を行った。さらには、当該関連機器製造企業に対して聞き取り調査を行い、機器の設計者と現場の医療従事者との両者の知見の共有を図った。 また、同時にアメリカ、イギリスなどの欧米諸国を中心として、アラーム機能を備えた医療機器が医療事故防止においていかなる役割を果たしているかという論点に対して現状把握を試みた。特に、アラーム機能を備えた医療機器を当該事象の安全性という 観点からのみ位置づけるのではなく、医療機関全体における課題としていかにして位置づけ、システム的な改善方策を生み出しているかという論点について検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究においては、初年度、東京医科大学病院を中心に複数の他の協力医療機関に対して聞き取り調査を実施することを予定しており、この点に関しては本年度の早い段階において実施が完了した。そこで研究課題に対するより定量的な検討を行うことも必要であるとの研究組織内での議論を踏まえ、規模を拡大した定量的な調査を実施することとした。 具体的には、調査ツールの確定、調査対象機関の選定、調査プロトコルの作成など一連の準備作業が終了しており、即座に調査を実施できる体制が構築されている。したがって、当初想定していたよりも、より広範囲なかつ定量的なデータ構築が可能となり、当該課題における科学的なエビデンスの構築につながると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度における課題として予定している、アラーム機能を備えた医療機器の適正使用に関して、個別医療機関が個別に当該機器の使用に関するガイドラインを作成するためのメタ・ガイドラインの検討を行うことはもとよりも、このメタ・ガイドライン作成のための、客観的なエビデンスとして、定量的なデータ構築を行う。既に、調査ツールの確定、調査対象機関の選定、調査プロトコルの作成など一連の準備作業が終了しており、即座に調査を実施することとする。 また、こうして検討を行ったメタ・ガイドラインに関しては、できるだけ早い段階で部分的な形で公表を試み、研究組織を中心にその具体性、実用性に関する、臨床現場、および当該関連機器製造企業などからの意見を集め、最終的な検討を行うこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度においては、定量的なデータ構築のために必要な経費を計上する。具体的には、調査実務全般を、専門の外部機関に委託し実施する。また、データ構築に際しては、より専門的な観点から検討を行うため、研究協力者らの協力を仰ぐ必要があるため、そのための謝金を計上する。また、研究組織及び国内外の研究協力者、外部の専門機関などとの調整を実施するため、旅費および会議費を計上する。
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