基本手術手技伝承システムを開発するために,外科医の運針動作をモデル化した。外科医による運針動作は4台のCCDカメラを用いて記録した。外科医は普通の運針,深い運針,浅い運針の3種類について,縫合深さを意識した随意動作を行った。持針器の位置と速度は3次元動作解析ソフトを用いて分析した。その結果,運針動作は刺入動作と引抜動作で構成され,刺入動作は縫合針を突き刺す直線動作と縫合針の湾曲に沿って操作する曲線動作に分類できた。縫合深さは直線動作の角度とその長さに依存していた。引抜動作において,一定の角度と速度で引抜いていた。
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