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2012 年度 実績報告書

副作用防止を目的としたPK‐PD‐PGの究極的実用化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24659256
研究機関筑波大学

研究代表者

幸田 幸直  筑波大学, 医学医療系, 教授 (40143482)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード副作用 / 薬物動態 / 薬物相互作用 / Cytochrome P450 1A2
研究概要

薬物の体内動態の変動に起因する副作用の予測に、PK、PD、PGに基づいた解析が有用なことは明白であるが、さらに個々の患者や健常被験者のデータを加えることができれば予測精度は格段に向上すると考えられる。本研究では、主要な代謝経路がCytochrom P450(CYP)1A2と報告されているチザニジンをモデル薬剤としてPK-PD-PG理論を展開し、その実用化を目指す。
具体には、チザニジンが処方された患者を対象とした調査を行い、CYP1A2阻害薬の併用実態を明らかにした。この結果に基づき、実際にチザニジンとの併用頻度が高かった組み合わせ(チザニジンとシメチジン)を用い、健常被験者を対象とした併用投与試験を実施した。この試験により得られた副作用症状(血圧低下)が、両剤の併用投与を受けている患者の血圧低下をどこまで正確に予測し得るか確認した。
チザニジンの処方実態調査から、約45%の患者でCYP1A2阻害薬が併用されていることを明らかにした。またチザニジンとシメチジンの併用投与試験より、シメチジンの併用は、チザニジンの血中濃度を1.8倍上昇させ、これに伴い、血圧が低下することを明らかにした(収縮期/拡張期血圧:-9.2/-5.0 mmHg、n=6)。これは、実際に両剤の併用投与を受けていた患者の血圧低下とほぼ同等であった(収縮期/拡張期血圧:-12.5/-3.5 mmHg、n=4)。
以上より、CYP1A2の基質であるチザニジンとシメチジンの薬物相互作用発症時の副作用症状(血圧低下)の予測には、健常被験者を対象とした併用投与試験の結果が有用である可能性を示した。一方で薬物相互作用発症時の血圧低下には個人差が大きく、健常被験者のデータのみでは患者個々の副作用予測は難しいことも明らかとなった。今後は副作用発症に影響する他の要因を明らかにして予測精度の向上を図る必要性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Clinical survey of tizanidine-induced adverse effects -impact of concomitant drugs providing cytochrome P450 1A2 modification-2013

    • 著者名/発表者名
      Momo K
    • 雑誌名

      Yakugaku Zasshi

      巻: 133 (2) ページ: 275~281

    • 査読あり
  • [学会発表] チザニジンの血中濃度に及ぼすシメチジン併用の影響2012

    • 著者名/発表者名
      百 賢二
    • 学会等名
      第33回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
    • 年月日
      20121129-20121201

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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