研究課題/領域番号 |
24659265
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
岡田 尚巳 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00326828)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ゲノム / 遺伝子 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
本研究では、高精度かつ高機能で安全な細胞治療技術の開発を推進するため、治療細胞染色体の特定部位に高い効率で外来遺伝子を組込む技術の開発を行う。疾患の原因となっている病態関連遺伝子の修復を高い効率で安全にかつ正確に行うため、標的染色体の特定部位に短い相同領域において高い効率で遺伝子組み換えを行うためのベクター系を構築し、標的細胞に効率よく外来遺伝子を導入する条件を検証した。 筋ジストロフィーモデル動物であるmdxマウスはジストロフィン遺伝子exon23に点突然変異を有するため、これを標的とする染色体治療モデルを計画した。ZFNsによる相同組み換えを誘導するために、DSB(double-strand break)を引き起こすためのZFNs発現ベクター、および目的とする挿入遺伝子を含むターゲティングベクターを標的の細胞に導入する必要があり、これらの機能発現ベクターを構築した。ZFNsには、標的配列上にて互いに会合した時のみ機能を発現する様に、FokI消化酵素の2種類の変異体を各々融合させた。また、細胞内での組換え効率の促進を図るため、切断後にDNA鎖の一方を消化する核酸分解酵素TREX1(3-prime repair exonuclease 1)およびDNA結合タンパク質RAD51(recAの同族体)を発現するベクターを構築した。さらに、標的細胞への遺伝子導入条件の検討として、ポリエチレンイミン(PEI)を応用し、効果的に骨髄間質細胞に外来遺伝子を導入する条件を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疾患の原因となっている病態関連遺伝子の修復を高い効率で安全にかつ正確に行うため、標的染色体の特定部位に短い相同領域において高い効率で遺伝子組み換えを行うためのベクター系を構築し、標的細胞に効率よく外来遺伝子を導入する条件を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
標的細胞に導入後、発現タンパク質を抽出し標的配列を含むプラスミドを用いて培養細胞の系で切断活性を確認する。また、各々のベクターの導入時期と投与量について諸条件を検討する。ベクターの導入時期については、ZFNsの発現によりDSBが引き起こされて遺伝子損傷修復機構が最も活性化される段階を、Real-Time-PCR法によって遺伝子修復に関与する遺伝子発現をモニタリングして検証する。細胞内での遺伝子修復機構が最も活発な時点でターゲティングベクターが細胞内に存在する様に遺伝子導入のタイミングを調節することにより、遺伝子相同組換えの効率の飛躍的な向上が期待される。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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