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2014 年度 実施状況報告書

インフルエンザ誘導サイトカインストームを制御するウイルス遺伝子NS1による評価法

研究課題

研究課題/領域番号 24659268
研究機関帝京大学

研究代表者

鈴木 和男  帝京大学, 医療共通教育研究センター, 教授 (20192130)

研究分担者 加藤 有介  徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (70596816)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードインフルエンザウイルス / ARDS / サイトカインストーム / NS1 / モデリング
研究実績の概要

In virtoでのインフルエンザウイルスNS1によるサイトカイン遺伝子発現の調節を実施した。
ヒト肺上皮細胞株(A549およびH292)に、インフルエンザウイルスH1N1あるいはH5N1それぞれのNS1遺伝子を導入し、そのNS1導入細胞にRSL1リガンドによってNS1を条件的発現誘導する系を利用できるように設定した。RSL1リガンドの刺激条件として500 nMで24時間刺激することがサイトカインmRNAの発現誘導に適していることが分かった。そこで、H5N1-NS1導入A549およびH292細胞、とH1N1-NS1導入A549およびH292細胞を500nM RSL1リガンドで刺激した時に、インタフェロン(IFN)-α, IFN)-β, IL-6, IL-8の発現の相違を調べた。
その結果、RSL1リガンドの誘導によって、H5N1-NS1細胞ではIL-6およびIL-8の発現がH1N1-NS細胞1よりも強く発現した。
これは、H5N1インフルエンザウイルスによって誘導されるサイトカインストームは、H1N1インフルエンザウイルスより強いことを示唆している。
これらのin vitroでのサイトカインの発現が、生体でのインフルエンザウイルスNS1によって誘発する劇症化を裏付けるものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね予定通りに進んでおり、今年度は、in vitroでのインフルエンザウイルスNS1がサイトカインの発現にかかわることを明らかにし、かつインフルエンザウイルスH5N1とN1N1が持つNS1がその発現量を調整している可能性を示すことができた。

今後の研究の推進方策

インフルエンザウイルスNS1にターゲットして抗インフルエンザの治療薬の開発につなげる。
たとえば、これまで我々がインフルエンザウイルスを接種することにによって誘発される劇症化肺炎を呈するモデルマウスで有効性を示したLeukomycin (Josamycin)の作用点がNS1誘導以後のカスケードに作用するかを解明する。
それが解明できれば、それをターゲットとしてインフルエンザ誘導の劇症化肺炎の治療薬のエビデンスにする。そして、関連したマクロライドの探索を行う。

次年度使用額が生じた理由

インフルエンザウイルスの遺伝子タンパク質の構造解析はほぼ終わっている。
残りの遺伝子の配列を4月中旬までに完了する作業があったため。

次年度使用額の使用計画

残る遺伝子配列の解析

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 6件)

  • [雑誌論文] The voltage-gated proton channel Hv1/VSOP inhibits neutrophil granule release.2015

    • 著者名/発表者名
      Okochi1 Y, Aratani Y, Adissu HA, Miyawaki N, Sasaki M, Suzuki K, Okamura Y.
    • 雑誌名

      J Leuko Biol.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Immunomodulation with eicosapentaenoic acid supports the treatment of autoimmune small-vesselvasculitis.2014

    • 著者名/発表者名
      Hirahashi J, Kawahata K, Arita M, Iwamoto R, Hishikawa K, Honda M, Hamasaki Y, Tanaka M, Okubo K, Kurosawa M, Takase O, Nakakuki M, Saiga K, Suzuki K, Kawachi S, Tojo A, Seki G, Marumo T, Hayashi M, Fujita T.
    • 雑誌名

      Scientific Rep

      巻: 4 ページ: 6406

    • DOI

      10.1038/srep06406

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Project JST/AMED e-ASIA JRP2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木和男
    • 学会等名
      第8回ADC研Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-03-14
    • 招待講演
  • [学会発表] エボラ出血熱 In the NIAID-NIH, USA2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木和男
    • 学会等名
      第7回ADC研 Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-01-17
    • 招待講演
  • [学会発表] 国際共同研究によるインフルエンザおよび血管炎の臨床疫学の成果と今後の展開2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木和男
    • 学会等名
      シンポジウム「感染症/生態系監視ネットワークの構築」
    • 発表場所
      日本大学(藤沢市)
    • 年月日
      2014-12-12 – 2014-12-13
    • 招待講演
  • [学会発表] トリインフルエンザ劇症化におけるNS1分子機構2014

    • 著者名/発表者名
      加藤有介
    • 学会等名
      第20回MPO研究会
    • 発表場所
      熱海市
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-08
  • [学会発表] 天然痘とバイオテロ:バイオテロ対策のシミュレーション2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木和男
    • 学会等名
      第5回ADC研 Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-08-01
    • 招待講演
  • [学会発表] インフルエンザによる重症ARDS症例の検討-ベトナムハノイ国立小児病院PICUにおけるStudy 2005-2013より2014

    • 著者名/発表者名
      河内正治1, 2, 3 Shoji Kawachi 中島典子3 Noriko Nakajima、鈴木和男3, 5 Kazuo Suzuki、Nguyen Trung Thuy4, Tran Minh Dien4, Le Thanh Hai4
    • 学会等名
      第4回ADC研-Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-07-05
    • 招待講演
  • [学会発表] 東南アジアのパンデミックインフルエンザおよび危機管理の現状と対策2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木和男
    • 学会等名
      13回日本旅行医学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-04-19 – 2014-04-22
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-03  

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