心臓手術後の尿中マーカーを測定し、術後急性腎障害(AKI)の早期予測因子としての可能性を検討した。既存のマーカーとして低分子タンパクや細胞障害マーカー(NAG、NGAL)、新たなマーカーとして近位尿細管で多くのタンパク質の再吸収に関与するメガリンを検討した。AKIではα1ミクログロブリン、NAG、NGALが術後早期から高値を認めたが特異性は低く、特異性の高いマーカーもしくは組み合わせキットによる診断診断の必要性が示唆された。メガリンは測定条件により挙動が不安定であり継続的検討を要する。いずれのマーカーも、成人と小児ではその挙動が大きく異なり、腎機能の完成度を反映していると考えられる。
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