研究課題
コムギ胚芽を用いた無細胞タンパク質合成技術により作製した炎症関連マーカータンパク質候補(ケモカイン、サイトカインとそれらの受容体、免疫関連因子、プロテアーゼとそのインヒビター等、多数の膜タンパク質を含む238種)の質量分析により得られた、各タンパク質のイオン化ペプチド情報を基に、これらをタンデムに配列する人工タンパク質をコードする遺伝子を合成し、これを鋳型として人工タンパク質QCONCATを合成した。さらに本人工タンパク質QCONCATを内部標準タンパク質として使用する目的で、合成の際にN末端に独自に開発したTIPs (Tandem Internal standard Peptides)タグを付加し、TIPs タグを内部標準に用いて、合成タンパク質の絶対量を質量分析計で定量化することを可能とした。トリプル四重極型質量分析計(AB-SCIEX QTRAP5500)を用いて、TIPs タグ付き人工タンパク質QCONCATの質量分析をナノフローで再度行い、高感度&ハイスループット性を検討した。その結果、良好なイオン化ペプチドシグナル強度を得ることができたものの、ナノフローの不安定性により再現性に乏しい結果となった。そこで、高感度&ハイスループット性に劣るが、安定性のあるマイクロフローを採用し、再度検討した。その結果、10フェムトモルオーダーでの感度を再現できる良好な結果を得た。これを基に条件設定を行い、培養細胞系を用いた炎症関連マーカータンパク質のMultiple Reaction Monitoring (MRM)解析を現在進めている。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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