研究課題/領域番号 |
24659287
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
池中 一裕 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (00144527)
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研究分担者 |
文堂 昌彦 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部病態画像研究室, 室長 (10426497)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脳脊髄液 / N結合型糖鎖 / マーカー |
研究概要 |
脳脊髄液は脳と脊髄を循環しているため、中枢神経系の代謝機構の異常を多く反映する。そのため脳脊髄液は各種神経性疾患のバイオマーカー探索源として注目されており、早期診断法を確立するための研究が進められている。本研究ではこれまで定量的な解析が不可能であった脳脊髄液中のN結合型糖鎖解析を行い、各種認知症のマーカー候補を探索することを目指した。研究代表者は微量な試料から糖鎖を分離・定量する方法を開発したので、その技術を脳脊髄液中のN結合型糖鎖解析に応用して本研究を行った。 本年度は3次元HPLCシステムを用いて、脳脊髄液中に含まれるN結合型糖鎖の網羅的な解析を行った。その結果、主要な糖鎖構造を同定し、血清や抗体、脳に多く含まれる糖鎖が脳脊髄液中にも含まれていることが明らかとなった。脳脊髄液試料は正常圧水頭症疑い患者からタップテストによって得られたものを用いている。そこで、次に臨床検査用の試料調整方法を確立するため、1患者の脳脊髄液を採取後、時間経過や凍結融解を繰り返すなど種々の条件で糖鎖パターンの比較をした。その結果、採取後の時間経過や温度変化に安定しており、糖鎖パターンに変化はなかった。平成25年度は多数の脳脊髄液試料のN結合型糖鎖解析を進めると同時に患者の診断を行う。患者の確定診断の結果と脳脊髄液中に含まれるN結合型糖鎖組成がどのように各種神経疾患と連鎖しているのか検討することにより、診断に使用するマーカー候補を探索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
他の認知症関連マーカーの解析においてタウ蛋白質、リン酸化タウ蛋白質、Aβペプチドの測定が困難なため、実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に確立した調整方法により、採取した脳脊髄液の解析を行う。平成24年度に作成したデータベースと照合しながらN結合型糖鎖の同定、定量を行う。糖鎖発現パターンにより脳脊髄液試料を分類する。患者の診断結果と脳脊髄液分類パターンを併せて正常圧水頭症患者の予知診断と脳疾患のマーカーとなり得る糖鎖を抽出する。また、他の認知症関連マーカーとの相関を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
髄液の糖鎖解析を行う為の試薬を購入。
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