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2013 年度 実績報告書

オートラジオグラフィー・カルシウムイメージングによる脳・脊髄の痛みの可視化

研究課題

研究課題/領域番号 24659294
研究機関大阪医科大学

研究代表者

宮崎 信一郎  大阪医科大学, 医学部, 助教 (30411359)

研究分担者 南 敏明  大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
森本 賢治  大阪医科大学, 医学部, 助教 (20388250)
キーワード疼痛の発生・増強機序 / アクロメリン酸 / アクロメリン酸誘導体 / カイニン酸 / 神経障害性痛 / アロディニア
研究概要

放射線同位体11Cで標識が可能な新規のアクロメリン酸誘導体PSPA-4を合成し、PSPA-4の神経障害性疼痛に対する効果、in vitro autoradiography(in vitro ARG)法および後根神経節(DRG)培養細胞でのカルシウムイメージング法を用いて、以下の知見を得た。①アクロメリン酸誘導体PSPA-4は、アロディニア誘発作用と抗アロディニア作用の2つの効果を有していた。②PSPA-4は、カイニン酸受容体に結合していることが示唆された。③PSPA-4はDRG培養細胞内のカルシウム濃度を上昇させ、カイニン酸とは異なる活性を示した。
また、ラットで神経障害性痛モデルを作製し、その脳・脊髄を用いてin vitro ARG法を行い、以下の知見を得た。①神経障害性痛モデルの脳・脊髄に特異的な[11C]PSPA-4の結合部位を見出せなかった。②神経障害性痛モデルの脳での[11C]PSPA-4の結合部位は、痛み刺激が伝わっている右半球と、痛み刺激が伝わっていない左半球で比較して差は認めなかった。これらの事から、 [11C]PSPA-4を用いたin vitro ARG法は、神経障害性痛に関与する部位に特異的に結合し痛みを可視化するには、[11C]PSPA-4の比放射能が低く、困難と考えられた。現在、共同研究チームは新たなPSPA-4類縁体を開発中である。
本研究によりアクロメリン酸誘導体PSPA-4が既知のカイニン酸受容体とは異なる経路でアロディニアに関与していることを明らかにし、PSPA-4 はアクロメリン酸A の作用メカニズムの解明だけではなく、NMDA、AMPA 受容体に比較し解明が遅れているカイニン酸受容体を介した中枢神経および末梢神経での痛みの伝達機構の解明に寄与する可能性を示した。しかし、痛みを可視化するには放射性同位体で標識可能な新たな化合物が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The action site of the synthetic kainoid (2S,3R,4R)- 3-carboxymethyl-4-(4-methylphenylthio)pyrrolidine-2- carboxylic acid (PSPA-4), an analogue of Japanese mushroom poison acromelic acid, for allodynia (tactile pain)2013

    • 著者名/発表者名
      Shinichiro Miyazaki, Toshiaki Minami, Hiroshi Mizuma, Masakatsu Kanazawa, Hisashi Doi, Shinji Matsumura, Jingshan Lu, Hirotaka Onoe, Kyoji Furuta, Masaaki Suzuki and Seiji Ito
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmacology

      巻: 710 ページ: 120-127

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2012.10.023

    • 査読あり
  • [学会発表] アクロメリン酸Aによる早期と晩期のアロディニアの比較

    • 著者名/発表者名
      尾本遥,南敏明,松村伸治,宮﨑信一郎,伊藤誠二
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第60回学術集会
    • 発表場所
      札幌

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公開日: 2015-05-28  

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