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2012 年度 実施状況報告書

神経因性疼痛における神経選択的スプライシングを標的とした発症機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659295
研究機関関西医科大学

研究代表者

下條 正仁  関西医科大学, 医学部, 講師 (90591925)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード神経因性疼痛
研究概要

神経因性疼痛モデルマウスはDRG のL5-SNT(sciatic nerve transection)で作製し1週間後、疼痛モデルマウスよりDRGを摘出した。DRGにおける各遺伝子の発現解析は、DRGよりtotal RNAを抽出後、特異的primerを用いたqRT-PCRを用いて行った。用いたプライマーはREST、REST4、nSR100、CACNA2D1、CACNA2D2に特異的配列を選択し、コントロールとしてactinを用いた。その結果、nSR100とREST4の上昇が見られた。神経細胞でnSR100は、RESTmRNAの選択的スプライシングに関与すると報告があることから、nSR100の上昇がREST4発現に関与していることが示唆された。
microRNAマイクロアレイ解析により、L5-SNTモデルマウスとコントロールとしてnaiveマウスのDRGにおける解析を行った。その結果、L5-SNTモデルマウスで増加または減少するmicroRNAsを確認し、その中にnSR100を調節すると考えられる複数のmicroRNAsの減少が得られた。さらに、RESTを発現調節すると推測されるmicroRNAsの上昇も見られた。疼痛の発症における分子機構のひとつとして、nSR100に影響するmicroRNAの発現異常が起こり、その結果、nSR100発現が上昇しREST4の発現とRESTに抑制されている遺伝子群の発現が上昇する可能性も考えられる。本研究は、神経因性疼痛におけるREST4/RESTと神経選択的スプライシングに関する研究に焦点をあて、疼痛発症の機構と治療法開発に結びつく重要な研究となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に示したとおり、遺伝子の発現解析は問題なく可能となった。今後は、神経因性疼痛モデルマウス作成後の経時的変化を調べる。nSR100及びCACNA2D1、CACNA2D2抗体は入手後、培養細胞を用いたウェスタンブロット解析に用いてその反応性を検討している。

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果を確認すると共に、十分量のDRGを得た後に、タンパク質の解析をウェスタンブロット法で、また免疫染色による発現と細胞内局在を明らかとする。DRG初代培養細胞を単離し培養を開始している。この培養細胞を用いて、nSR100とmicroRNAの発現調節機構を明らかとする。

次年度の研究費の使用計画

細胞培養を中心に遺伝子発現解析とタンパク質の発現解析を行う予定であり、研究費は主に細胞培養関係に多く用いられる。実験試薬、細胞培養試薬、培養器具、さらに研究成果を発表する目的で、学会発表と論文投稿に用いられる。

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公開日: 2014-07-24  

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