母子分離場面では、生後15日目の高濃度群および低濃度群の超音波発声回数、1回の発声の長さが統制群より増大し長くなった。超音波の周波数には影響がなかった。ペアリング場面の超音波発声には、甲状腺ホルモン阻害の影響はなかった。甲状腺ホルモン阻害は発達地帯を引き起こす。このため新生児ラットはより長く母親の養育を必要としたため、生後15日に至っても超音波発声は増大したと考えられる。しかし成熟後の超音波発声には甲状腺ホルモン阻害の影響がなかった。周産期の甲状腺ホルモン阻害が超音波発声に及ぼす影響は、成熟期までには回復するといえる。
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