本研究の目的は、免疫系バイオマーカーと骨粗鬆症・身体機能の諸指標との関連性を解析することにより、「免疫系の活性化が骨粗鬆症発症や身体機能低下に悪影響を及ぼす」という新仮説を検証することである。今年度の実施内容は、Yokogoshi Studyの調査結果の関連解析を行うこと、およびSekikawa Studyの実施と結果のまとめを行うことであった。Yokogoshi Studyの相関分析により、血中CRPは体重、BMI、および5年間の腰椎骨密度の変化と、リウマチ因子は握力、腰椎骨密度と、ヒトヘルペスウイルス抗体価は握力と、サイトメガロウイルス抗体価は年齢、握力、腰椎骨密度と有意な相関が見られた。2011年実施された新潟県関川村での基本健診において、40歳から74歳までの健診受診者230人を対象に血清中の高感度CRP(ネフロメトリー法)の測定を行い、同時に行われた自記式健康調査票による生活習慣データとの相関分析も行った。以上の結果とYamato Studyの結果を合わせて研究の総括を行う。
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