研究課題/領域番号 |
24659306
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
|
研究分担者 |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (40198461)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | ダイオキシン / ベトナム / メタボロミクス / 脳神経発達 / 社会情動発達 / 尿検査 / 小児 |
研究概要 |
ベトナムのダイオキシン汚染地域に在住する3歳児200名について、ベーリー乳幼児脳神経発達尺度や自閉症尺度ASRSを用いて検診を行い、脳神経発達、特にコミュニケーション能力や社会情動発達の遅れの有無を検討した。また、検診の際に尿採取を行い、冷凍保存した。その内、母乳中ダイオキシン濃度が高く、発達の遅れている小児15名と、その対象者と性、年齢のマッチした暴露レベルが低く、発達のよい対照者15名、計30名について、GC/MSにより尿メタボローム解析を行い、脂肪酸やアミノ酸などの400余りの尿代謝物の同時測定を行った。現在、統計ソフトSIPCA-P+を用いて、高暴露低発達群と低暴露健常群とを判別するのに有用なバイオマーカーを見出すことを目標に解析を行っている。本研究は、メタボロミクスの手法を用いて、環境汚染物質の暴露による生体の代謝反応を捉えることを目指しており、非侵襲的な尿検査による病態の把握が可能となるが期待される。 また、次年度の調査のために、より高度な汚染が認められている地域で新たなコホートを立ち上げ、出生時データや1か月時の母乳採取を終え、6か月時に脳神経発達検診および尿採取をする準備をしている。6か月児の尿中のバイオマーカー測定することにより、早期に発達障害を示唆する代謝の変化をとらえることが可能となる。 さらに、非汚染地域でも新たな新生児コホートを立ち上げるため、ハノイのベトナム軍医科大学病院産婦人科との共同研究計画を進めており、来年度8月に調査を始めることが決定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3歳児について脳神経発達、自閉症尺度、尿中メタボローム測定が実施できた。現在、統計解析中であり、その結果を待って、新しいコホートの小児の早期解析を行う計画がベトナムで予定されている。しかし、日本人の発達障害児については、調査できていないので、全て順調ではない。
|
今後の研究の推進方策 |
ベトナムの新しいコホートについては、汚染地域も対照地域も、これからの調査を実施するにあたり、特別な問題はないと思われる。しかし、日本人のケースについては、近隣の病院に働きかけ、協力を要請する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|