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2012 年度 実施状況報告書

ヒトの体内で増殖不可能なヒトサイトメガロウイルスワクチンの作成

研究課題

研究課題/領域番号 24659309
研究機関群馬大学

研究代表者

磯村 寛樹  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20294415)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードヒトサイトメガロウイルス
研究概要

HCMVは他のウイルスやヘルペスウイルスとは異なり、宿主の翻訳を停止して宿主翻訳因子をウイルスの遺伝子の翻訳のために使用するというシステムを持たない。その代わりに、宿主の翻訳因子を宿主とウイルス両方の蛋白の合成に効率良く利用する分子機構が存在すると考えられる。さまざまなストレス刺激によって翻訳が不活化したmRNAは翻訳抑制に関わる様々なRNA結合蛋白とともに、stress granule (SG) やprocessing body (P-body, PB)といった細胞質内顆粒状構造にとりこまれ、ポリソームとの間を一時的かつ可逆的に移動していることが知られている。我々はHCMVが自身の遺伝子の効率的な翻訳のためにSGやPBを利用している可能性を考え研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HCMV感染後SGの形成は全く認められない一方で、PBは感染早期(6時間)から後期 (48時間)にかけて著名に増加した。またCHX処理によって蛋白合成を停止した細胞でも感染後PBは著明に増加した。酸化ストレス刺激によって形成されるPBの構成因子でmRNAの分解に関わるAgo2は、感染によって形成されるPBにはリクルートされてこなかった。PB形成をノックダウンすると、IE蛋白だけでなく、感染後発現が上昇することが知られている宿主、サイクリンE、CDC6やCdh1蛋白の発現量も顕著に減少したが、各々のmRNAの発現量には変化を認めなかった。という結果を得た。

今後の研究の推進方策

IEのmRNAs がPBの形成を促進することが明らかとなった。また感染によって形成されるPBは酸化ストレス刺激で形成されるそれとは異なり、ウイルスやウイルス増殖に必要な宿主遺伝子の翻訳の維持に機能していると考えられた。現在PBが限られた宿主翻訳因子を効率良く使用するために、mRNAと一部の翻訳開始因子を一時的に貯蔵する場として機能する可能性を考え、さらなる検討を行っているところである。

次年度の研究費の使用計画

上記研究を行なうために、抗体等の購入を逐次行なっていく予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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