• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

新型ウェルシュ菌エンテロトキシンの同定と食中毒事例への診断的応用

研究課題

研究課題/領域番号 24659310
研究機関大阪府立公衆衛生研究所

研究代表者

余野木 伸哉  大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (20553613)

キーワードウェルシュ菌 / 食中毒 / エンテロトキシン / 新型エンテロトキシン / BEC
研究概要

ウェルシュ菌は食中毒の原因菌であり、その病原因子としてClostridium perfringens enterotoxin (CPE)が食中毒の発生に必須と考えられていた。ところが、我々はCPE非産生性ウェルシュ菌が原因菌と強く疑われる食中毒を2事例経験した。本研究において我々は事例分離株から新型エンテロトキシンを同定し、BEC (binary enterotoxin of C. perfringens)と命名した。分離株の培養上清はウサギ結紮腸管ループ試験およびサックリングマウス試験で液体貯留活性を示した。精製毒素とゲノムDNAの次世代シークエンス解析によって、BECはBECaとBECbで構成されることが分かった。becAB遺伝子はウェルシュ菌strain13が保有するpCP13に類似する54.5-kbのプラスミド状に位置していた。組換えBECb (rBECb) は単独でサックリングマウス試験において液体貯留活性を示した。rBECa は単独で液体貯留活性を示さず、rBECb と同時に接種したとき液体貯留活性を強めた。becB遺伝子欠損株では液体貯留活性は消失した。 rBECaは精製アクチンに対してADPリボシル化活性を示した。BECbが BECa を細胞内へ輸送することを直接確認できていないが、BECaとBECbを同時に接種したときにVero細胞の円形化を確認した。これらの結果からBECがCPEと異なる新規エンテロトキシンであり、BEC産生性ウェルシュ菌が人の下痢症の原因となることを示した。さらに、ほとんど同一のプラスミドが系統の異なるウェルシュ菌に存在していたことから、水平伝搬によってbecAB遺伝子を獲得したと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] BEC, a novel enterotoxin of Clostridium perfringens found in human clinical isolates from acute gastroenteritis outbreaks2014

    • 著者名/発表者名
      Shinya Yonogi, Shigeaki Matsuda, Takao Kawai, Tomoko Yoda, Tetsuya Harad, Yuko Kumeda, Kazuyoshi Gotoh, Hirotaka Hiyoshi, Shota Nakamura, Toshio Kodama, Tetsuya Iida
    • 雑誌名

      Infection and Immunity

      巻: 82 ページ: 999

    • DOI

      doi: 10.1128/IAI.01759-14

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi