研究課題/領域番号 |
24659317
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60240355)
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研究分担者 |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60282662)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401064)
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40401070)
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キーワード | 医療・福祉 / ビタミンD不足症 / 骨粗鬆症 / 危険因子 / 国際比較 / 国際情報交換(英国) |
研究概要 |
運動器障害予防のために設立された大規模住民コホート研究Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability(ROAD)において、本年度は漁村コホートにおいて3回目の調査を実施した。本研究では、調査時に同意の得られた参加者から、25(OH)D測定サンプル採取のための採血を行うとともに、骨粗鬆症、変形性関節症、筋肉減少症、骨折の判定に必要な骨密度検査、X線検査、筋量検査、握力測定を行った。 漁村検診が平成25年度末までずれ込んだため、一部サンプルの測定は平成26年度にずれたが、平成26年度は予定通り第3回調査の山村、漁村両地域の参加者の25(OH)D結果をもとに、過去2回の調査における両地域の住民の25(OH)D測定結果とのデータリンケージを行い、一般住民における血清25(OH)D値の7年間の推移、及び運動器障害の有病率、発生率、増悪率や要介護移行率へのビタミンDの影響を明らかにする予定である。 現在までの研究では、すでに実施した二度の調査結果を解析し、一般住民の血清25(OH)Dの平均値(標準偏差)は23.3 (6.6)mg/mL (男性25.7 (6.5)ng/mL、女性22.0 (6.2)ng/mL)であること、年代間で明らかな差異が認められないこと、ビタミンD不足症の有病率は 81.3% (男性72.1%、女性 86.3%)と極めて高いことを明らかにした。さらに、血清ビタミンD低値は骨粗鬆症発生を予測しうるが、変形性関節症とは関連を認めないことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にある通り、漁村での検診が年度末までずれ込んだため、一部サンプルの測定は平成26年度にずれこんだが、平成26年度は予定通り第3回調査の山村、漁村両地域の参加者の25(OH)D結果をもとに、過去2回の調査における両地域の住民の25(OH)D測定結果とのデータリンケージを行い、今後一般住民における血清25(OH)D値の推移を明らかにするとともに、7年間の追跡における運動器障害の有病率、発生率、増悪率や要介護移行率へのVDの影響を明らかにする予定である。 すでに過去二回の測定結果から、一般住民の血清25(OH)Dの平均値(標準偏差)は23.3 (6.6)mg/mL (男性25.7 (6.5)ng/mL、女性22.0 (6.2)ng/mL)であること、年代間で明らかな差異が認められないこと、ビタミンD不足症の有病率は 81.3% (男性72.1%、女性 86.3%)と極めて高いことを明らかにした。さらに、血清ビタミンD低値は骨粗鬆症発生を予測しうるが、変形性関節症とは関連を認めないことを示した。
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今後の研究の推進方策 |
運動器障害予防のために設立された大規模住民コホート研究Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability(ROAD)において、本年度は漁村コホートにおいて3回目の調査を実施した。本研究では、調査時に同意の得られた参加者から、25(OH)D測定サンプル採取のための採血を行うとともに、骨粗鬆症、変形性関節症、筋肉減少症、骨折の判定に必要な骨密度検査、X線検査、筋量検査、握力測定を行った。 検診がずれ込んだため、一部サンプルの測定は平成26年度にずれこんだが、平成26年度は第3回調査の山村、漁村両地域の参加者の25(OH)D結果をもとに、過去2回の調査における両地域の住民の25(OH)D測定結果とのデータリンケージを行い、一般住民における血清25(OH)D値の7年間の推移、及び運動器障害の有病率、発生率、増悪率や要介護移行率へのビタミンDの影響を明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に実施した漁村におけるROADスタディ追跡調査において住民の血清25(OH)D値を測定する予定で予算を計上していたが、検診そのものが年度末までずれこんだため、その後の血清25(OH)D値測定が次年度にずれこんだ。そのため次年度使用額が生じた。本年度に住民の血清測定を行う予定となっているため、昨年度からの繰り越し予算は使用完了の予定である。 前述のごとく、検診の遅れにより生じた次年度使用額は本年度にて完了する予定である。
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