研究課題/領域番号 |
24659320
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中山 健夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70217933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 健康管理 |
研究概要 |
現在の特定健診・特定保健指導は、生活習慣病予備軍としてのメタボリック症候群対策に主眼が置かれる一方、検診結果で「医療機関受診が望ましい(要医療)」と判定された糖尿病・高血圧・脂質異常者への対応は、実態把握から介入法まで実施主体によって大きく異なり、有効な対策の樹立、効果の検証が遅れている。 本研究は(1)保険者の有する健診・レセプト(診療報酬明細書)の突合データセットを開発し、コホート研究により生活習慣病の「要医療判定」者の頻度とその後の受診状況、その予測因子を解明する。(2)「健診要医療判定」かつ医療機関未受診者を対象に面接調査(個別・集団)を実施し、その心理的・行動的プロセスを解明する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は複数の健康保険組合由来のレセプトと健診データの匿名化突合により、統合的なデータセットを構築して糖尿病・高血圧の要医療判定者の頻度、その後の医療機関受診状況の記述的な解析を進めた。その結果、糖尿病の可能性のある健診受診者のうち、6か月以内に医療機関を受診したのは3割余り、同様に高血圧に関しては3割以下であることが明らかとなった。医療機関未受診の予測因子としては、年齢が若いこと、血圧値・HbA1c値が受診勧奨の基準値を越えるが比較的低い値であることが得られた。現在、これらの成果は論文投稿中である。 面接調査に関しては京都府A市の成人を対象に、検診受診とその後の医療機関受診について予備面接を行った。特に東日本大震災による東北地方からの避難者の方々は、住民票の移動の有無で健診受診機会が変わることが示され、予防含む保健医療の継続性の課題が指摘された。平成25年度は継続的比較分析を進め、成果の発表につなげたい。
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今後の研究の推進方策 |
投稿中の2論文では、健保組合被保険者を対象として、健診で糖尿病・高血圧について要医療の判定を受けた者の頻度、その後の医療機関受診状況、予測因子に関するコホート研究の論文の受理・発表を目指す。また健診未受診に関する面接調査・継続比較分析を継続して、論文化を勧める。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度は突合データベースの解析を優先し、健診関係の面接者数が予定よりもやや少なかった。そのための予定謝金が残ったので、今年度は当初予定の達成に向けて面接調査を進める。
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