研究課題/領域番号 |
24659325
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
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研究分担者 |
九冨 五郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10404625)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 乳がん / 症例対照研究 / イソフラボン / エコール / インスリン / アディポネクチン |
研究概要 |
【目的】乳がんの予防を目的として、そのリスク要因を解明するための研究を行った。【方法】研究期間中に札幌医科大学付属病院において、36人の乳がん患者群と76人の対照群(がんや乳腺疾患の既往がない、主として循環器疾患の患者)について調査を行った。早朝空腹時に採血したイソフラボン類アグリコン(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、エコール)、アディポネクチン、および、インスリンの血中濃度を測定した。また、質問紙によって食生活、その他の生活習慣、生殖歴、体型などを調査した。本研究は、札幌医科大学倫理委員会の承認を得て、全ての調査対象者から書面で同意を得て行った。【結果】ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、および、エコールの血中濃度は乳がんのリスクと有意な関連性はみられなかった。アディポネクチンの血中濃度は乳がんのリスクの低下と有意に関連していた。インスリンの血中濃度は乳がんのリスクと有意な関連性はみられなかった。【考察】エコール産生能を測定することはできたが、腸内ナッツ菌の測定については時間を要している。研究の初年度であり、乳がん症例群と対照群の調査を継続中であるが、現時点でアディポネクチンの血中濃度が高いことが乳がんのリスク低下と関連することが示された。今後は、標本数をさらに増やして、交絡要因を調整した解析や閉経状態で層別にした解析を行う予定である。また、アディポネクチンの血中濃度と関連する生活習慣、体型などを解明して、乳がん予防の方策に関する検討をさらに進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の初年度で、アディポネクチンの血中濃度が乳がんのリスクの低下と有意に関連することが示された。エコール産生能と乳がんリスクとの間には、今のところ、有意な関連性みられていない。今後は、標本数をさらに増やして、交絡要因を調整した解析や閉経状態で層別にした解析を行う予定である。また、アディポネクチンの血中濃度と関連する生活習慣、体型などを解明して、乳がん予防の方策に関する検討をさらに進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においても、平成24年度と同様に、札幌医科大学付属病院において、乳がん患者群と対照群(がんや乳腺疾患の既往がない、主として循環器疾患の患者)について調査を行っていく。乳がん患者群と対照群について、早朝空腹時に採血したイソフラボン類アグリコン(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、エコール)、アディポネクチン、および、インスリンの血中濃度を測定する。また、質問紙によって食生活、その他の生活習慣、生殖歴、体型などを調査する。そして、交絡要因を調整した解析や閉経状態で層別にした解析を行う予定である。また、アディポネクチンの血中濃度と関連する生活習慣、体型などを解明して、乳がん予防の方策に関する検討をさらに進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度においても、平成24年度と同様に、札幌医科大学付属病院において、乳がん患者群と対照群(がんや乳腺疾患の既往がない、主として循環器疾患の患者)について調査を行っていく。乳がん患者群と対照群について、早朝空腹時に採血したイソフラボン類アグリコン(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、エコール)、アディポネクチン、および、インスリンの血中濃度を測定する。また、質問紙によって食生活、その他の生活習慣、生殖歴、体型などを調査する。 なお、平成24年度に学会発表するための旅費を計上していたが、委託した検査に時間がかかり、学会発表するまでには至らず、その分が残額となった。平成25年度中に委託した検査結果を入手して学会発表するので、残額はその際の旅費として使用する。
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