研究課題/領域番号 |
24659328
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
近藤 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (70280203)
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キーワード | 認知症ケア / 一人暮らし / 作業療法 |
研究概要 |
1)認知症ケアの新しい視点である「できる」を生かすツールの開発と活用を目的に,Townsendの「作業ができるようになるための10の技能(以下10の技能)」について,作業療法士を中心に検討したところ,厳格な使用を求めたものではなく,かなり柔軟に活用できることを確認し,日本においてもまた認知症に対しても活用できることを確認した.2)このツールを作業療法士だけでなく,一般化し活用可能なものとするためには,一人暮らしの認知症高齢者の具体的な生活状況を10の技能で説明可能にする作業を必要とした,このため,広島県三原市および福岡県飯塚市等の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所で,一人暮らしの認知症高齢者を担当し,協力の得られたケアマネージャー16名を対象に,一人暮らしの認知症の事例について,生活の様子や隣近所との関係,日々の買い物,金銭管理,介護保険等の公的サービスや民生員等のインフォーマルな資源,トラブル等について聞き取り調査を実施した.その結果,32名についてデータが得られた.調査は2名の作業療法士と4名の作業療法学科の学生で行った.学生は4年次生で認知症の作業療法について一定の知識を持ちこの領域の科目の単位を取得しており,聞き取り調査とデータの解釈は2名のペアで行った.3)現在,調査によって得られたデータを可能な限り「10の技能」で説明すべく検討を進めている.4)また,男性の一人暮らし認知症高齢者の確保が困難で7名にとどまっているため,今後,最低10例にすべくデータ収集を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.現在までに32名の一人暮らし認知症高齢者のデータを収集できており検討の目途が立った.2.しかし,男性のデータが現在7名では不足しており,この確保が残っている. 3.一人で暮らす認知症高齢者の生活に関する多様なデータを「10の技能」で説明すべく検討し,終了する計画であったが,現在進行中である.
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今後の研究の推進方策 |
「10の技能」に基づいたツールを完成させ,一人暮らしの認知症高齢者を担当しているケアマネージャーに依頼し,具体的な事例について使用してもらい,意見を聴取する.ツール修正後,報告書を作成し,地域の認知症ケア会議において,関連職種や一般市民に伝達講習を行う.さらに,全国レベルの学会および地域作業療法学会で発表する.
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