東洋由来の世界観や人生観では主体と客体が未分化で両者の区別が曖昧に認識され、内向的、感覚的傾向が強いという。こうした東洋的人生観に基づくストレス対処心理特性として受容的感覚という心理特定を同定した。以下の下部構造から構成される。(1)脱執着感(ストレス状態の思いにとらわれない、過度に反応しない感覚)、(2)脱同一化感(ストレス状態にあることを能動的に客観視する感覚)、(3)包容感(ストレス状態にあることを物事の道理として受け入れる感覚)(4)被包容感(ストレス状態にあることが第三者に受入れられていると思える感覚)。こうした分類をもとに、受容的感覚を測定する10項目の質問からなる尺度を開発した。
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