現在、我が国で行われている一般的な禁煙治療の主体は、禁煙補助薬の処方と患者が抱える禁煙困難要因に対する医師や看護師のアドバイスである。しかし医療提供側の問題として、指導内容やそこに費やす時間の差が大きく、限られた時間内で一定の効果を得ることが難しいといった現状がある。リセット禁煙は禁煙を容易にする「気づき」を誘導する質問が埋め込まれた心理教育プログラムであり、自助教材などを用いることで禁煙への導入が容易になるとされている。今回リセット禁煙のシナリオに基づいた自助教材の評価を行った。対象はコントロール群(以下C群)13名、リセット禁煙群(以下R群)13名で、その内6か月以上観察可能であった者はC群4名、R群5名であった。禁煙達成者はC群で2名、R群で3 名であった。リセット禁煙に基づいた自助教材による禁煙達成率の向上は、現時点では明らかではなく、今後症例数を増やしての評価が望まれる。
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