本研究は、離島で働く保健師に焦点を当てたものである。離島の保健師は離職率が高く、地理的条件により、外部との連携をスムーズに行うことができない。実際に2008年6月~2010年3月の期間(約2年間)に、私が保健師として滞在した離島での経験を基に、現役で働いている離島の保健師の実態調査を行うための基礎的な土台作りを行った。離島関連の公衆衛生の研究者との調整、公益財団法人日本離島センターとの調整とともに、実際に調査する離島の選定を行い、約60箇所の島嶼地域の市町村に対し、郵送によるアンケート調査および聞き取り調査を行った。約20箇所の島嶼地域の市町村より回答が得られた。地域保健のおける各分野(精神・難病・成人・高齢者・小児・母性など)でのそれぞれの工夫や苦悩などをカテゴリー化して、まとめながら、それぞれの情報共有の架け橋となるように、ネットワーク構築の基盤整理のため、離島の保健師を対象としたホームページ(http://homepage2.nifty.com/malenurse/shimanurse1.html)の作成と運営を開始した。離島の保健師がその地域で長期的にかつ円滑に保健活動が行えるために必要な基礎資料となりうるよう、今後も継続的に活動をすすめていく予定である。
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