研究課題/領域番号 |
24659333
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
弓指 孝博 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10250284)
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研究分担者 |
青山 幾子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (90332452)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 蚊 / ウイルス / 不明熱 / 中和抗体 / 公衆衛生 |
研究概要 |
不明熱患者の髄液から蚊の培養細胞を用いて分離した未知のウイルスについて以下の項目について研究を進めた。 1. ウイルスの形態の観察による分類学的な位置の推定 不明熱患者から分離した未知のウイルスを蚊の培養細胞系で十分に増殖させて調製したサンプルを用い、電子顕微鏡による形態観察を実施した結果、ネガティブ染色法において直径50nm程度の多角形状の粒子が観察された。また、ウイルスを感染させた培養細胞を樹脂包埋超薄切片法によって観察したところ、細胞中に多数見られた膜小胞中に直径50nm程度の粒子が少数観察されたが、それ以外にも直径20nm程度の粒子が多数凝集している像が観察された。現時点では、直径50nm程度の粒子がエンベロープを持たない小型のウイルスであることを示唆しているが、他に多数観察された直径20nm程度の粒子の実態については不明であった。 2. ウイルス遺伝子構成の解明 非特異なプライマーを用いたPCR法によって未知のウイルス遺伝子の一部を増幅させ、それをシークエンスして得た約500塩基の配列を元にゲノムウォーキングを実施した。その結果、これまでに約2700塩基の配列が明らかになった。また、その配列の推定アミノ酸配列を元に近縁なウイルス種の探索を行った結果、テトラウイルスの仲間に近いことが示唆されたが、より明確な結果を得るには、今後、さらに長い配列を用いて検討する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「1.ウイルスの形態の観察による分類学的な位置の推定」では、蚊以外の細胞によるウイルスの感染・増殖についても検討した上で電子顕微鏡観察を実施する予定であったため、やや遅れているとした。また、「2.ウイルス遺伝子構成の解明」ではゲノムウォーキング以外の方法も試みる予定であったため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究実施計画で「達成がやや遅れている」とした部分を補いつつ、平成25年度の研究実施計画を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用予定の研究費については、平成24年度の研究実施計画で「達成がやや遅れている」部分を実施するため、主に平成24年度の研究実施計画の部分に使用し、平成25年度分の研究費については主に平成25年度の研究実施計画の部分に使用する。
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