本研究では、高熱が持続した不明熱患者の髄液から蚊の培養細胞で分離したウイルスについて、その性状の解析を試みた。その結果、分離したウイルスは蚊の培養細胞でプラークを形成することが明らかになった。また、マウスの培養細胞においても増殖することが明らかになったが、マウスでの病原性は確認されなかった。患者の血清中には特異的と思われるIgM抗体が検出された。透過型電子顕微鏡による観察では、紡錘形と多面体様の2種類のウイルス粒子が観察された。また、遺伝子解析においては5,263塩基の配列が明らかになったが、BLASTによる検索では、これまでに知られていない未知のウイルスである可能性が示唆された。
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