研究課題
本研究は、(1)培養細胞やノックアウトマウスなどを用いて、トランスクリプトーム解析等によって年齢依存性転写因子Rhitにより転写制御される遺伝子を検索・同定する。(2)転写抑制因子 Rhitの遺伝子発現機構を解析し、分子生物学的手法によってその年齢依存性の分子論的基盤を明らかにする。(3) 年齢依存的に発現変動する転写因子遺伝子をプロテオーム解析により網羅的に検索・同定する。の3項目を目的として計画した。平成26年度に得られた研究成果を以下に示す。1.Rhit KOマウスの表現型解析Rhitの機能を明らかにするため、昨年度の腎に引き続き、Rhit-/Rhit-マウスの精巣について表現型解析を行った。mRNA発現をmicroarray法によって網羅的に解析し、wild-typeと比較したところ、顕著な発現上昇や発現減少を示す遺伝子群は認められなかった。2.M-LPおよびRhitの機能および発現の分子論的基盤の解析M-LPHの機能に影響を及ぼすと予測されるM-LPH遺伝子内の非同義置換型SNP(9座位)に着目し多集団(3大人種を含む16集団)における分布調査を実施した。これらのSNPは、すべてmono-allelicな分布を示し、M-LPHの機能を低下させるSNPは遺伝的多様性に乏しいことが明らかとなった。M-LPHと高い類似度を持つMpv17では非同義置換型SNPがミトコンドリアDNA欠乏症の誘引となることが報告されており、M-LPHの機能低下が生存に負の影響を及ぼす可能性が示唆された。
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FEBS J
巻: 281 ページ: 376-390
10.1111/febs.12608