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2013 年度 実施状況報告書

3次元画像解析を用いた細胞内小器官の生活反応の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659336
研究機関山梨大学

研究代表者

猩々 英紀  山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (60284626)

研究分担者 馬淵 正  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80150308)
キーワード法医学 / ミトコンドリア / 3次元画像解析
研究概要

法医学において、死体から生活反応を可視化する事は、死因や事件・事故との因果関係を精査するうえで重要である。従来の法医診断は組織や器官レベルでの形態変化やタンパク質や遺伝子の発現変化など分子レベルでの解析が主であり、細胞内小器官を指標とした解析は少ない。一方、細胞内小器官の一つであるミトコンドリアの形態はその機能を反映しており、死後の組織・細胞においても死の直前の状態がミトコンドリアの形態として保存されている可能性がある。そこで、本研究では脳損傷の痕跡がミトコンドリアの形態として保存されているかについて検討する。また、高分解能蛍光顕微鏡を用いた3次元画像解析により細胞内小器官の生活反応を可視化し、新たな法医診断法の開発を目指している。
当該年度も常法に従って脳損傷モデル動物を作製した。即ち、wistar系ラットの右頭頂骨正中部に骨窓を開け、脳挫傷作製装置を用いて側方打撃を加えた。その後、受傷3、6、12及び48時間後に灌流固定し、脳を摘出後、昨年度の結果を踏まえ厚さ6μmの脳組織標本を作製した。続いて、得られた脳組織標本から各種細胞に対するマーカー抗体を用いて神経細胞(抗NeuN、抗MAP2抗体)、アストロサイト(抗GFAP抗体)及びミクログリア(抗IBA1抗体)の形態変化を調べると共に、3次元画像解析条件の検討を行った。その結果、各細胞において3次元画像を構築することが可能であった。また、受傷3、6、12及び48時間後にグリア細胞(アストロサイト及びミクログリア)の活性化を認め、受傷後時間経過に伴って細胞の肥厚及び増加していた。一方、受傷後の神経細胞では、細胞体の委縮を認め、時間経過に伴って細胞数の減少が認められた。さらに、培養細胞を用いてミトコンドリアの形態と機能の変化について検討を行っており、組織標本から得られた結果と比較検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、高分解能蛍光顕微鏡を用いた3次元画像解析により細胞内小器官の生活反応を可視化し、新たな法医診断法の開発を目指している。現在までに、画像解析に必要な条件を得ており、現在、培養細胞を用いてミトコンドリアの形態と機能の変化について検討を行っている。今後、組織標本から得られた結果と比較検討する予定であり、研究はおおむね順調に進展しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、培養細胞を用いてミトコンドリアの形態と機能の変化について検討を行っており、今後、組織標本から得られた結果と比較検討する予定である。それらの結果から、脳損傷の痕跡がミトコンドリアの形態として保存されているかについて検討する。その後、細胞内小器官の生活反応を指標とした法医診断法についての検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に3次元画像解析にかかる費用の不足が生じる可能性を考慮して前倒し請求を行ったが、当初予定していた使用計画の範囲で研究の実施が可能であったため。
当初の使用計画に従って、平成26年度分として請求した助成金と上記次年度使用額を合わせて研究を実施する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Oxygen glucose-deprived rat primary neural cells exhibit DJ-1 translocation into healthy mitochondria: A potent stroke therapeutic target.2014

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y, Tajiri N, Shojo H, Borlongan CV.
    • 雑誌名

      CNS Neurosci Ther.

      巻: 20 ページ: 275-281

    • DOI

      10.1111/cns.12208.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Forensic strategy to ensure the quality of sequencing data of mitochondrial DNA in highly degraded samples.2014

    • 著者名/発表者名
      Adachi N, Umetsu K, Shojo H.
    • 雑誌名

      Leg med.

      巻: 16 ページ: 52-55

    • DOI

      10.1016/j.legalmed.2013.10.001.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DJ-1 ameliorates ischemic cell death in vitro possibly via mitochondrial pathway.2014

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y, Shojo H, Burns J, Staples M, Tajiri N, Borlongan CV.
    • 雑誌名

      Neurobiol Dis.

      巻: 62 ページ: 56-61

    • DOI

      10.1016/j.nbd.2013.09.007.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epidemiological survey-based formulae to approximate incidence and prevalence of neurological disorders in the United States: a meta-analysis.2013

    • 著者名/発表者名
      Borlongan CV, Burns J, Tajiri N, Stahl CE, Weinbren NL, Shojo H, Sanberg PR, Emerich DF, Kaneko Y, van Loveren HR.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e78490

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0078490.

    • 査読あり
  • [学会発表] 頭部外傷におけるシクロオキシゲナーゼの分子動態の解析.2013

    • 著者名/発表者名
      猩々英紀,安達登,馬淵正
    • 学会等名
      第97次日本法医学会学術集会
    • 発表場所
      ロイトン札幌(札幌)
    • 年月日
      20130626-20130628
  • [備考] 山梨大学医学工学総合研究部法医学講座

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/social/legal0me/classroom_member/shohjoh.html

  • [備考] 山梨大学 研究者総覧

    • URL

      http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispInfo.Scholar/3_61/F8AD215DD10A64A4.html

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公開日: 2015-05-28  

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