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2014 年度 実績報告書

東日本大震災後の被災地仮設住宅在住高齢者を対象とした前向きコホート健康調査・研究

研究課題

研究課題/領域番号 24659343
研究機関東北大学

研究代表者

冲永 壯治  東北大学, 大学病院, 准教授 (30302136)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード東日本大震災 / 災害医療 / 応急仮設住宅 / 高齢者
研究実績の概要

【目的】仮設住宅在住高齢者の転居前の生活環境は様々である。宮城県気仙沼市の中心部では漁業を中心とした産業が盛んであった。遠洋からの水揚げを加工・保存する二次産業、それを卸売・流通させる三次産業が市街地に展開していた。一方、気仙沼市南部の本吉町、北部の唐桑半島と気仙沼大島では沿岸漁業や養殖業といった一時産業が根付いていた。このような生活背景と長期化する仮設生活下の健康被害との関係を明らかにして疾病予防の手立てを考察する。【方法】気仙沼市が設置した仮設を地域別に、中心部の(a)市街地区、その近隣の(b)本吉地区、(c)唐桑・大島地区、(d)岩手県地区の4分類とした。これらの仮設に住むすべての高齢者2,150名に対してアンケート調査を行った。アンケート内容は高齢者の健康・生活機能を総合的に評価する内容とした。【結果】アンケートの回収率は73%であった。(a)~(d)地区において一様にみられた現象は、体調不良、体重減少、喫煙量・アルコール摂取量の増加、睡眠障害、活動性の低下など多岐に渡った。心理的ストレスをK6にて評価した。対照群を欠くものの、一般的同世代高齢者に比べてスコアが高い傾向であった。地区別にみると(c)地区においてスコアが低い傾向で、ついて(b)(a)(d)地区の順であった。半島・島嶼の(c)地区では交通の利便性が低く、近隣相互の助け合いが浸透していた。ソーシャルキャピタルとも言うべきこの習慣が、仮設生活でも助け合いや見守りといった形で機能している様子が伺われた。【結語】仮設在住高齢者の健康・生活機能評価において、仮設設置の地区間で異なる傾向が一部の調査項目で観察された。さらに分析を進め、仮設ないし災害公営住宅在住高齢者のQOL維持向上を目指した介護予防プログラムの策定につなげる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cognitive examination in older adults living in temporary apartments after the Great East Japan Earthquake2015

    • 著者名/発表者名
      Ishiki A1, Furukawa K, Une K, Tomita N, Okinaga S, Arai H.
    • 雑誌名

      Geriatrics & Gerontology International

      巻: 15 ページ: 231-233

    • DOI

      10.1111/ggi.12290

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 被災地の仮設住宅などにおける疫学調査―気仙沼市における震災と健康、生活機能調査―2014

    • 著者名/発表者名
      冲永壯治、古川勝敏、石木愛子、荒井啓行
    • 雑誌名

      Geriatric Medicine

      巻: 52 ページ: 165-170

  • [学会発表] 津波被災地仮設在住高齢者の健康・生活機能調査―3年間の解析―2015

    • 著者名/発表者名
      冲永壯治、古川勝敏、石木愛子、冨田尚希、荒井啓行
    • 学会等名
      日本老年医学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-14
  • [学会発表] 津波被災地の地理的特徴と仮設在住高齢者の健康・生活機能2014

    • 著者名/発表者名
      冲永壯治、石木愛子、古川勝敏、荒井啓行
    • 学会等名
      日本老年医学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-06-12 – 2014-06-14

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公開日: 2016-06-01  

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