研究課題
代表的な遺伝的早老症Werner症候群(以下、WS)は、思春期以降 全身性に老化徴候を示し、糖尿病や動脈硬化、がんを好発し、40 歳代で死亡する。1996 年にWSの原因遺伝子としてDNA ヘリケース(WRN)が同定されたが、個体・細胞レベルで早老をきたすメカニズムの解明は国内外を通じて進んでいない。理由の一つとして、WRN 遺伝子のノックアウトマウス(KO)が早老の表現型を示さず、健常に生育するため、有用な動物モデルが無い点にある。またWSの皮膚由来線維芽細胞は、通常、数代の継代培養により老化関連βガラクトシダーゼ活性上昇などの細胞老化形質を示し、分裂を停止する。そのため、患者由来細胞を用いた発症メカニズムの解明も容易ではない。本研究では、WSの早老発症メカニズムを解明するために、無限分裂能を有するiPS細胞の技術を用いて、WS患者由来iPS細胞を樹立することを目的とする。WS患者の皮膚由来線維芽細胞にOct-4, Sox2, Klf4, c-Mycの山中4因子を導入し、無限分裂能の獲得した細胞の樹立に成功した。この細胞を免疫不全マウスの精巣への移植により三胚葉系細胞への分化(奇形腫形成)を確認した。リプログラミングによりWS患者由来iPS細胞を得ることができた。一方、WSには一部の患者にナンセンス変異が知られている。近年、読み飛ばし活性を持つリードスルー薬が開発され、遺伝子欠損の改善例が報告されている。ナンセンス変異を持つWS由来線維芽細胞に対し、リードスルー薬の保護効果を調べ、治療薬としての可能性を考察した。
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