研究課題
挑戦的萌芽研究
漢方薬は、いくつかの構成生薬を組み合わせて処方して作られる。構成生薬には、主として植物由来、動物由来、鉱物由来のものがあり、それらを煎じることにより、相互作用、総合的な力として効果を発揮すると考えられている。また漢方薬がすでに臨床に用いられていることから、in vivoでのマウスを用いた研究が主として行われている。しかし、in vitroの研究の積み重ね無くして、漢方薬の作用機序を明らかにすることは困難である。今回の研究課題では、構成生薬(申請者らが水抽出エキス126種)による細胞内シグナルへの効果を検討し、漢方薬の作用機序を理解することを目的とする。今年度は、細胞内シグナルへの効果を検討する目的のため、シグナル応答配列をそれぞれ含むレポーターを16種作製した。また既に6種については、構成生薬による影響について検討を終えている。また、我々はこれまでに十全大補湯ががん転移を抑制することを明らかにしてきたが、その作用機序を解明する目的で、十全大補湯の構成生薬それぞれの上皮間葉転換に及ぼす効果を検討した。その結果、桂皮に上皮間葉転換抑制効果があることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
細胞内シグナルを検討するためのレポータープラスミドの作製を終了し、スクリーニングを始めているところである。また、十全大補湯ががん転移を抑制する作用機序に関する研究において、十全大補湯に含まれる桂皮が上皮間葉転換を抑制することを明らかにした。
作製されたレポータープラスミドを用いて、漢方薬の構成生薬による細胞内シグナルへの効果を検討する。また桂皮が上皮間葉転換を抑制することが明らかとなっていることから、桂皮に含まれる活性成分の同定を行う。
レポーターアッセイに用いる試薬、またin vivo実験に必要なマウス、試薬等を購入する予定である。研究は、おおむね順調に進展しているが、次年度使用額2867円が生じた。
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