研究課題
漢方薬は、いくつかの構成生薬を組み合わせて処方して作られる。構成生薬には、主として植物由来、動物由来、鉱物由来のものがあり、それらを煎じることにより、相互作用、総合的な力として効果を発揮すると考えられている。また漢方薬がすでに臨床に用いられていることから、in vivoでのマウスを用いた研究が主として行われている。しかし、in vitroの研究の積み重ね無くして、漢方薬の作用機序を明らかにすることは困難である。今回の研究課題では、構成生薬(申請者らが水抽出エキス126種)による細胞内シグナルへの効果を検討し、漢方薬の作用機序を理解することを目的とする。H24年度は、細胞内シグナルへの効果を検討する目的のため、シグナル応答配列をそれぞれ含むレポーター16種を作製した。また6種については、構成生薬による影響について検討を終えている。さらにその過程において、がん転移に関与する上皮間葉転換を十全大補湯に含まれる桂皮が抑制することを明らかにした。H25年度は、10種のレポータープラスミドを用いたスクリーニングを終了し、そのデータを用いて生薬を分類し、その結果を伝統的な分類と比較検討を行った。また五車腎気丸が抗がん剤によるアロディニアを抑制すること、また胡椒に含まれるpiperineがTRAIL誘導性のアポトーシスを増強することを明らかとした。H26年度は、釣藤鈎に含まれるHirsiutineが抗がん活性を示すことなどを明らかとした。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (24件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
Steroids
巻: 94 ページ: 51-59
10.1016/j.steroids.2014.12.015.
Int J Oncol.
巻: 46 ページ: 1844-1848
10.3892/ijo.2015.2861.
Oncol Rep.
巻: 33 ページ: 2072-2076
10.3892/or.2015.3796.
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 458 ページ: 856-861
10.1016/j.bbrc.2015.02.044.
Biol Pharm Bull.
巻: 38 ページ: 109-115
10.1248/bpb.b14-00609.
Evid Based Complement Alternat Med.
巻: 2015 ページ: 801291
Cancer Sci.
巻: 105 ページ: 788-794
10.1111/cas.12425.
巻: 45 ページ: 895-901
巻: 45 ページ: 2085-1091
10.3892/ijo.2014.2624.
BMC Cancer.
巻: 14 ページ: 949
10.1186/1471-2407-14-949.
J Nat Med.
巻: 69 ページ: 209-217
10.1007/s11418-014-0880-6.
http://www.inm.u-toyama.ac.jp/pb/gyoseki/index.html