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2013 年度 実績報告書

ストレスは如何にして宿主の易感染性を惹起するか?

研究課題

研究課題/領域番号 24659350
研究機関九州大学

研究代表者

須藤 信行  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60304812)

研究分担者 古賀 泰裕  東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
キーワードカテコラミン / 腸内細菌 / 腸管
研究概要

近年、“Interkingdom signaling(IKS)” の存在が発見され、研究者の注目を集めている。IKSとは、本来は細菌間の情報伝達に使われていた物質が、「界」を越えてその宿主へ作用し、逆に宿主由来の物質が細菌へ作用しその性質を変化させるという細菌界と動物
界との双方向的な情報伝達を指す概念である。代表的ストレス関連ホルモンであるカテコラミンは、その情報伝達を仲介する分子の一つと考えられており、カテコラミンを介したIKSは、腸管内で恒常的に行われていると推定されているが、これまでin vivoで明確に証
明した報告はなかった。
本研究によって、1.腸管管腔内にはカテコラミンが存在しており、2.その生成には腸内細菌由来のbeta-glucuronidaseによる脱包合が関与している、ことを明らかにした。具体的には、beta-glucuronidase活性を持つ大腸菌とbeta-glucuronidase活性を欠損した大腸菌変異株のそれぞれ単一細菌から構成された人工菌叢マウスを作成し、その腸管内でのカテコラミン濃度を比較した。その結果、beta-glucuronidase活性を欠損した大腸菌変異株では無菌マウスと同様に遊離型カテコラミン濃度が著しく低値であり、大半のカテコラミンは生理活性を有しない包合型として存在していた。また腸管ループを用いたモデルによって腸管管腔内カテコラミンは水分吸収の調整に関与していることが明らかとなった。 以上の結果をAm J Physiol Gastrointest Liver Physiol誌に報告したが、F1000に注目論文として取りあげられるなど(In F1000Prime, 01 Feb 2013; DOI: 10.3410/f.717972997.793469811)海外研究者からの注目も高い。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Commensal microbiota modulate murine behaviors in a strictly contamination-free environment confirmed by culture-based methods.2013

    • 著者名/発表者名
      R. Nishino, K. Mikami, H. Takahashi, S. Tomonaga, M. Furuse, T. Hiramoto, Y. Aiba, Y. Koga, N. Sudo
    • 雑誌名

      Neurogastroenterology & Motility

      巻: 25(6) ページ: 521-528

    • DOI

      10.1111/nmo.12110. Epub 2013 Mar 11.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生活習慣の見直しとストレス解消のすすめ 腸内フローラとストレス2013

    • 著者名/発表者名
      須藤 信行
    • 雑誌名

      皮膚の科学

      巻: 12 ページ: 37-41

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸内細菌研究の動向と心身医学との接点2013

    • 著者名/発表者名
      須藤 信行
    • 学会等名
      第 54 回日本心身医学会総会
    • 発表場所
      神奈川県
    • 年月日
      20130626-20130627
    • 招待講演
  • [学会発表] 腸内細菌とこころの発達

    • 著者名/発表者名
      須藤 信行
    • 学会等名
      第13回抗加齢医学の実際2013
    • 発表場所
      東京都
    • 招待講演
  • [学会発表] ストレス関連疾患の病態と治療

    • 著者名/発表者名
      須藤 信行
    • 学会等名
      第62回東北支部主催生涯教育講演会
    • 発表場所
      宮城県
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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