研究課題
本研究はアルツハイマー病(AD)の複数モデルの動物を用いた実験により(1)神経変性時の生体反応としてのミクログリアを中心とした神経免疫システムの経時的推移を解析し、その神経保護作用の解明を試み、続いて(2)薬理学的治療や再生治療などの治療介入による神経免疫システムの変化を解析し、より有効かつ画期的な治療法を模索する。また可能であれば(3)神経免疫システムの障害と神経変性疾患の病態の関連を考察し、病態の解明も試みることを目的として開始した。昨年度はADトランスジェニックマウス(APdE9マウス)の脳切片を用いてミクログリアのマーカーであるIba1、ミクログリアの貪食・活性化マーカーであるCD68、およびα7型ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)の免疫三重染色を施行し、画像解析ソフトImage Jを用いた面積評価により、病初期の活性型ミクログリアではα7nAChR発現が増強し、進行期の活性型ミクログリアではα7nAChR発現の減弱化とCD68発現増強が認められることを示した。さらに、活性型ミクログリアのうちalternative phenotype(M2)マーカーであるYm1やArginase 1についても免疫組織学的評価を施行した。
すべて 2015
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Journal of Alzheimer's Disease
巻: 44 ページ: 409-423
10.3233/JAD-141572.